大雪の日に自動車のワイパーを立てる理由とその意味は?

防災対策
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毎日、仕事や通勤・買い物などで自動車を運転している方は、天気予報で「明日は大雪の予報です」とテレビやラジオで情報を知ったとしたら、どんな対策を取りますか?

「テレビとかだと雪国の車はワイパーを立ててるなぁ」と理由はよく分からないけどうちもワイパー上げておくかと対処しているかもしれません。

今回は雪の日になぜワイパーを立てているのか?立てた方が良いのかについてお伝えします。

理由はワイパーゴム(ブレード)の保護

あまり雪が降らない太平洋沿岸部や西日本の方は、積もる前の光景はちょっとシュールで昆虫の触覚のように思えるかもしれません。

普段の洗車時や交換をする際、ワイパーに触れる頻度はエンジンルームなどと異なり多いと思いますが、ブレード部分はゴム製です。

このゴムのしなやかさによってフロントガラスが湾曲していても、多少の砂や汚れが付着していたとしても雨粒や雪を拭きとって視界を保つことができます。

ゴムが劣化してガチガチに硬くなった場合はワイパーを動かすたびに「ガ、ガガッ」や「ゴリッ、ゴリゴリ」とびびりが出てしまい、きれいに拭き取れなくなってしまいます。

雪の日のような低温時にはゴム部分が硬くなってしまいより一層早く劣化が進んでしまいます。また、気温によってはゴムとフロントガラスが凍ってしまい固着することもあり得ます。

このようなゴムの劣化をできるだけ防ぎ、不要な固着を防止することがワイパーを立てる主な理由です。

雪が積もった状態でのワイパー動作はモーター/リンク機構を壊すことも

外は寒いし、雪は冷たいし時間もないからということで、フロントガラスに多少の雪が積もっていたとしても雪落としをせずにワイパーを動かした経験はありませんか?
私はあります…。

ワイパーは普段見えている部分のワイパーアーム/ブレード/ゴムの他に、ワイパー・モーターやリンク・アームとそれらを繋げるピポット部分で構成されています。

雪が積もったままの状態でワイパーを作動させてもまったく動かなったり、変な動き(速度差がある、動き方がいつもと違う)となることがあります。
この状態はワイパーへ過度の負荷がかかってしまっている状況ですので危険です。

無理やり動かそうとしている状態のため、最悪の場合にはワイパー・モーターの焼き付きやスリップ、リンクアーム部の折れ・曲がりにより壊してしまい修理費用もワイパーゴムとは比較にならない程掛かってしまいます。

なお、ワイパーゴム自体はガラスをきれいに拭き取ることができなくなったら交換の時期です。カー用品店やディーラーなどで交換しましょう。

雪が溶け始めたらワイパーを元の位置に戻しておきましょう(倒した方が良い)

雪が積もっているときにはワイパー保護のため立てておいた方が良いのですが、暖かくなってフロントガラスに積もった雪が溶けだしたときはワイパーを倒した(元の位置に戻す)方が良いでしょう。

自動車に雪が積もることが年に数回しかない首都圏など都市部の場合、「また雪が積もるかもしれないからワイパーは立てたままにしておくか~」としていることもあるでしょう。

雪が溶けると水になりますが、ガラス表面と雪の間で水となると残った雪が落ちてきます、いわば車の上で表層雪崩が発生したようなものです。
残った雪が少なければ問題はありませんが、大量の雪がある場合には滑り落ちる雪の重みによって立てているワイパーブレードが折れたり曲がったりする可能性があります。

自動車部品の破損を防ぐためにも天気が良くなって暖かい日となるようであれば、積もった雪を下ろしてワイパーも元の位置に戻しておきましょう。

フロントガラスの位置(車両の場所)を把握する

自宅の駐車場であれば車庫の位置が決まっているため気にすることはありません。
ただし、例えばスキー場や温泉旅館など普段停めている駐車場と違う場所に停めることになり、かつ大雪となってしまった場合はどっち向きに駐車したか分からなくなってしまうこともあり得ます。

大雪では車の形が真っ白いだ円!?になってしまい、セダンなのかワンボックスなのかさえ判別できなくなることもあります。

最低限どこら辺りに停めたのか覚えておくことは必要ですが、ワイパーを立てておくことにより雪が積もったとしても「黒いワイパーブレード先端」が飛び出ているでしょうから、フロントガラスやドアの位置、車の向きを把握することがおそらくできると思います。

まとめ

雪の日に立ててあるワイパーにはこんな理由と意味があったんですね。

  • 雪の日にワイパーを立てる主な理由は「ワイパーゴムの保護(劣化防止、凍っての固着防止)」
  • フロントガラスの雪を落とさずワイパー作動させてしまうと、機構部分の故障に繋がり痛い出費と視界の確保ができず危険!
  • 暖かくなったらワイパーは元の位置に戻しておきましょう
  • 大雪の日は車の位置(車両の向き、ドア位置など)を把握するための目印として使える

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