防犯標語「いかのおすし」とは何を意味するのか

防犯対策
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自分の身に危険が迫っている状況は、大人の言うことを素直に聞く傾向にある子どもたちには理解をすることが難しく、日頃の生活の中で警戒心を持ってもらうことが容易ではありません。

「困っている人」がいれば「助ける」と教わっているのにそれをしないことがいいことなのか悪いことなのか子どもの判断だけに任せてしまうのには限界があるからです。

そこで考えられたのが「いかのおすし」という語呂合わせによる防犯標語です。

「いかのおすし」とは

 

いかない
らない
おきなこえをだす
ぐにげる
らせる
の頭文字をとった防犯標語です。

「いかのおすし」は大人と子どもが一体となって防犯意識を高めて安全な社会を作ろうというコンセプトから警視庁少年育成課と東京都教育長指導企画課が考案しました。
子どもたちのインパクトに残る言葉を選ぼうと考えたことから、食べ物にまつわる「いか」と「おすし」に防犯上の重要概念を結びつけました。

「いか」

「いか」は、知らない人にはついて「いか」ないことを意味します。

「悪い大人」は「お菓子をあげるよ」などと言い、子どもの興味を引きつけようとします。多くの子どもは「お菓子がもらえる」と警戒するよりも「お菓子がもらえる」という興味のある方に気持ちが傾きます。

このような状況に遭遇した際に子どもに「いかのおすし」の「いか」について思い出せるようにしておくと子どもであっても自分の行動が正しいかどうか確認できるようになります。

「の」

「の」は、知らない人の車には「の」らないことを意味しています。

連れ去り犯が子どもを誰にも見られることなく手っ取り早く現場から連れ去るのに使う手段は車です。連れ去り犯は子どもを車に乗せてしまえば、周りに知られることなく速やかに現場を離れることができます。

連れ去りは目撃情報がなく手がかりも少なくなりがちです。子どもが危険にさらされない為にもここでは「知らない人の車に乗らない」ことが強調されています。

「おすし」

「お」と「す」は、自分の身が危険にさらされた際に取るべき行動を示しています。

「お」

「お」は、危ないと思った時に「お」おきな声を出すことです。

つきまとい、声かけ、連れ去りは子どもが一人になった時によく起こっています。
周りに人もおらず、怖さのあまり声が出ない可能性も考えられます。その際防犯ブザーを使ったり笛を鳴らす方法もしっかりと学び日頃から使い方を練習する事をお勧めします。

「す」

「す」はその場にいることが危険だと感じたらその場から「す」ぐ逃げることです。

連れ去り犯や犯罪者がすぐに手を出すことのできない距離を取ることは犯罪から身を護るのにとても大切なことです。

休日などに大人も一緒になり子どもと鬼ごっこをするなど普段から素早く逃げる練習をしておくと効果的です。身体の大きな大人から逃れるのに必要な距離やスピード、タイミングを体験によって覚えることができます。

「し」

「し」は、何かあった時にはすぐに大人に「し」らせることを意味しています。

学校の近くで被害に遭えば学校に、自宅近くならば自宅で保護者の方にすぐに「しらせる」ことができますが、学校と自宅の中途半端な距離で被害にあった場合にも大人に「しらせる」場所や方法がある事を伝えておくことは重要です。

コンビニや個人商店、スーパーなど通学路の途中にあるお店を親子で確認し、何かあったら「ここに行く」という決め事をしておくと心強いかもしれません。被害にあった事を早く大人に伝える事で身の安全を確保することができますし、次なる犯罪を抑制するきっかけになります。

まとめ

防犯標語「いかのおすし」の成り立ちは過去に不審者が学校に侵入して引き起こした傷害致死事件が背景にあります。学校・家庭内に限らず、この世の中で生きる子どもたちは守られるべき存在ですが、すべての子どもたちに大人の目を行き渡らせることは実際には困難です。

その為、子どもたちに「自分の身は自分で守る」ことを早い段階から理解してもらうおうと生み出されたのが覚えやすく語呂の良い「いかのおすし」でした。

今回紹介した「いかのおすし」で安全について子どもと一緒に考えるためのよいきっかけになればと思います。

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