災害で断水したときのトイレの流し方と必要水量

防災対策
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地震災害や水道配管の漏水、貯水タンクの点検などで水が使えないとなると困りものです。

食事の支度から洗濯、お風呂と水が止まると色々なことができなくなりますが、中でもトイレを使った後に流せなくなることが一番困ることではないでしょうか?

今回は断水したときにトイレを使用した後の流し方とトイレで使う必要水量についてお伝えします。

まとめて用意できるこちらの防災セットを購入することも準備時間の短縮/長期的なコスト削減の面からおすすめです。
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トイレを流す際に必要な水の量はどのくらい?

水洗トイレの場合、使ったあとに当然水を流しますが1回あたりどのくらいの水を使っているのか気になりますよね。

水洗便器のメーカーや製造された年代によって異なっており、近年になるほど省資源で効率的に流す仕組みによって段々1回あたりに必要な水の量は少なくなってきています。

トイレ製造メーカーで各年代別での水使用量は次のようになっています。

発売年代メーカー商品名称必要な水量
1970年代INAXC-44('73年~)16L
TOTOCSシリーズ('76年~)13L
1980年代ジャニス工業Cシリーズ('85年~)12.5L
1990年代INAXアメージュ大10L/小8L
TOTOネオレストEX大8L/小6L
PanasonicシャワレインCX大6L/小5L
ジャニス工業楽れっとL8L
2000年代TOTOネオレストA(’06年)
ネオレストAH(’07年)
大6L/小5L
大5.5L/小4.5L
INAXECO6シリーズ
ECO5シリーズ
大6L/小5L
大5L/小4L
PanasonicアラウーノS大5.7L/小4L
2010年代TOTOネオレストNX/AH/RH大3.8L/小3.3L
INAX
(現:LIXIL)
ECO4シリーズ大4L/小3.3L
PanasonicアラウーノV大4.6L/小3L

1970年代と最近の2010年代を比べると現在で使用する水の量は大きい方でも4L~5L位と昔より約1/3程度まで抑えられているんですね。

2リットルのペットボトル2本強で流しているということですね。

トイレで大きい方をした際は、それなりに多くの水が流れていると思っていたため私の予想より3割位は必要水量が少ない印象です。

ただし、トイレの便器は持ち家でも賃貸住宅でも新築するときに取り付け、便器自体や水回りを壊すことが無ければ新しく購入し直すことは少ないでしょうから、少し古めの住宅ではやはりトイレ1回あたりに必要な水の量は10リットル程度は少なくとも必要かもしれません。

過去記事 災害時に家庭で水の備蓄量は一日一人当たり何リットル必要?

少ない水の量でトイレを流す方法とは

最近のトイレ便器設備であれば、使う水の量は少なくなってますが、そもそも地震災害などによって断水してしまったときには水が供給されなくなってしまいます。

普段からお風呂の浴槽に水を貯めている場合や一軒家で貯水槽など断水時も一定量以上の水が確保できるときには手動でトイレの水を流すことができます。

また以下の記事のようにウォーターサーバーを導入しておけば、普段の飲料水としての利用の他に断水時にはトイレ用として流用することもできるため検討してみる価値があります(かなりもったいないですが背に腹は代えられないですし…)。

バケツを使う方法

トイレ用水として使える水があることを前提ですが、使用量をできるだけ少なくする方法はバケツを使って勢いよく便器に流すことがおすすめされています。

こちらは「TOTO公式ホームページ」で紹介されており、メーカーとしても推奨しています。

  1. バケツ1杯分(8L程度)の水を勢いよく便器の中心に向かって流し込む。
  2. 次に静かにバケツ半分程度(4L位)の水を静かに流す。
  3. 排水管のつまりを防止するため、数回(2~3回)に一度は上記1の時にバケツ1回半(10~12L程度)の水を流し込む。

出典:TOTO公式ホームページ

注意点として、「便器に直接水を流すこと」というところです。

バケツで勢いよく便器へ水を流してしまうと、水が飛び跳ねてしまい便器周辺も汚してしまい掃除が大変となるため一旦トイレのタンクへ水を入れた後に流したいところですね。

ただし、TOTOの見解としては、バケツ⇒タンクへの水の量(タンク貯水量)が少ないと使う便器の洗浄不良や内部へのつまりなど通常使用条件外の影響により「タンクへ水を入れることは避けてほしい」と指示されています。

トイレを流す水がない場合の対処方法

浴槽へ水を貯めていない、備蓄している水がない場合などトイレを使った後に流す水がないときは非常に困ってしまいますね。

水は人の命を守る上でも必須ですが、現代生活で我慢や代用することができないものがトイレであり、必要な水の量も最近は節水タイプがあると言っても断水時に使う割合は大きくなってしまいます。

水洗式が発達する前の昔であれば、ポットン式がありましたが衛生上や臭いなどや下水設備が発達しているため今ではなかなかお目に掛かることはありません。断水時は水洗式トイレであることがデメリットになってしまうと言わざるを得ないかもしれません。

トイレ用の凝固剤を使う方法

水が使えなくてもトイレは我慢できないものです。水を一切使わずトイレを利用する方法として「凝固剤」があります。

トイレの凝固剤は、高分子吸収剤(高分子ポリマー)/消臭成分/除菌成分などから構成されており、大きい方や小さい方をするとポリマーに吸収されてすぐにゼリー状に変化し液体を固めてくれます。

また臭いは活性炭などにより抑えられ、ばい菌の元となる成分を除菌効果により低減してくれます。

使い方は、便器へ袋(汚物用のビニール袋)をセットし用をたしたあとに凝固剤をふりかけ用便が固まるのを確認して汚物用袋をしっかり結んだうえで処分します。

個人的な感覚としては、天ぷら用油などの廃油を処理するときに使う固めるテンプルと同様な印象でしょうか。

↑凝固剤と汚物袋が50回分で日本製のため安心です。また10年保存可能なので長期保存できます。

↑凝固剤が100回分ですので1個購入しておくとしばらく使えます。

まとめ

災害時に断水してしまった場合のトイレの利用方法として、多少でも水がある場合とまったくない場合があります。防災を優先で考えると水の確保は非常に重要なため、お風呂の浴槽へ水を貯めておきたいところですが実際いつも貯水しておくことは難しいかもしれません。

  • 最近(2010年代)のトイレ1回あたりで必要な水の使用量は約5リットル未満(2Lペットボトル2本強)である。ただし発売年代により必要量は異なり、2000年以前であれば約10リットル程度は必要である。
  • 断水時でのトイレのおすすめする流し方、処理方法は次のとおり
    • 水が確保できていれば、バケツで直接便器へ勢いよく流す(タンクへ水を補充した後に流すことはおすすめできない)
    • 水がなければ、防災用として発売されている「凝固剤」を使用する。

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