災害時の電源確保に便利な発電機の方式と種類(戸建て/企業用)

防災対策
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地震などの災害で困ることのひとつに停電がありますね。自然災害は前触れなくやってきて揺れた瞬間にパソコンやテレビの電源が切れたり、夜間では蛍光灯が消えてしまい辺りは真っ暗になってしまうのは嫌で危険なものです。

夜間の場合、付近一帯の電気が消えてしまい手元にライト機能があるスマートフォンなどあればまだ良いですが無ければ暗闇の中探し回ることになります。

現代社会では停電が起こると様々な制限を受けてしまいます。

今回は停電時に重宝する発電機についてお伝えします。

発電機のかんたんな原理説明

防災さん
防災さん

発電機ってなに?というか、どうやって動いてるの?

発電機とは、読んで字のごとく「電気を発生させる機械」のことです。

電気を作る機械(設備)といえば代表的には発電所となります。発電する方式として火力、水力、波力、地熱、原子力などいくつもの種類がありますが、ほとんどの方式で行っていることは熱や水の流れを利用して発電機と呼ばれるタービン(蒸気タービンなど)を回転させて電気を作り出しています。

身近なものとしては、自転車のライト用の前輪部分に設置しているダイナモがあります。これも同様にダイナモ内部の歯車を回転させて電気を作りライトを点灯させています。

これらタービンやダイナモの構造は、ざっくり解説するとモーター(コイルを巻いた回転体と周囲の磁石)と似ており、蒸気や外力により回転させることにより電気を作り出しています(電磁誘導)。

発電機の方式と燃料

発電機には大きく分けて3種類の発電方式と、発電機を動かすための燃料等には4種類あります。

一般的に一戸建ての家庭や企業で緊急用として使用される発電機は、ガソリン燃料のインバーター方式発電機が多い傾向にあります。

発電の方式は主に3種類

発電方式内容
インバーター方式小規模な家庭用など一般的に多く使用されています。
インバーターを使用しているため安定した周波数で電子機器のパソコンなどへ安定供給が可能。
サイクロコンバーター方式発電効率が良く無駄なく電源供給可能。
家電や電動工具など使用できるが周波数の波形に安定性に欠けるためPC等の精密機器はやや苦手。
三相方式主に道路工事などで使用される大型発電機。業務用メインのため一般家庭では使用は少ない。

供給電圧は基本的に100Vですが、一般家庭や企業で使用したい機器にはパソコンなど精密機器が含まれていることが多いと思います。この場合、選ぶ発電方式はインバーター方式をおすすめします。

防災さん
防災さん

なるほど、発電方式はインバーター式がいちばん良さそうってことで分かったよ

その他方式では、電源容量として大きな発電は可能ですが、きれいな周波数(安定した交流100V波形)を出力することが苦手な機種が多いため、故障なく使用したければインバーター方式が良いと思います。

発電に使う燃料など

次に発電機を動かすための燃料(動力の供給源)は主にガソリン、軽油、ガス、手動式といった4種類あります。その他にもソーラー式なども存在しますが発電量に対して、コスト効率が良くないためほぼ先の種類に限られています。

ガソリンや軽油で動く方式については、お寺や神社などのお祭りで出展されている屋台で見かけますね。「ドッドッドッ~」とエンジン音が聞こえてくるのが電気を作っている発電機の音です。

この方式のデメリットとしては、ガソリンなど使用しており排気ガスの臭いと騒音が大きくなってしまい、災害緊急時であっても特に音の大きさは気になるかもしれません。このため集合住宅であるマンションやアパートでは少々使いづらく近隣の方と調整が必要でしょう。

なお自動車を運転される方はお分かりだと思いますが、ガソリンにはレギュラーとハイオクの2種類があります。ガソリン式発電機の場合、どちらでも基本動きますが発電量や燃費に違いは見られないようです。

発電燃料等内容
ガソリン燃料の入手が楽で、小型・軽量な発電機が多い。軽油タイプより動作音が小さい。
軽油入手性が楽。ディーゼル式のためコストパフォーマンスが高く、長時間の動作も可能。ガソリンタイプと比較しやや動作音が大きい。
ガス入手がやや難しいこともあり。ガソリンタイプより燃焼効率が良い。
また小型では携帯用カセットボンベで動作するものもあり。
手動式燃料が不要。人が発電機を駆動させる必要があり、発電量は少なく主にスマートフォンや小型電球など非常用として使用可能。

手動式は、人が動かすためガソリンなど不要なため燃料代が掛からず排気ガスも発生しないと良いことづくめとも思えますが人の労力がいるため疲れます…。また発電量も小さいため緊急の中の緊急用という位置づけだと思います。

ただし価格も他も方式と比べ安価(2千円~1万円程度)のため一台持っておくと安心できると思います。

使いたい機器の消費電力と発電機能力を知っておくべき

普段プラグをコンセントに入れればテレビや冷蔵庫、パソコンの家電製品など使用できるので消費電力についてあまり気にしない方が多いのではないでしょうか?

せいぜい年に数回、ドライヤーと電子レンジ、電気ストーブといった消費電力の大きい機器を同時に付けたら家庭のブレーカーが落ちてしまって電力の消費量を気にすることがあるくらいかもしれません。

消費電力と共に起動電力も確認した方が良い

発電機を使用する際は消費電力に加えて起動時電力も気にした方が良いかもしれません。

この起動電力とは、電子機器が電源ONにより動き出した瞬間に必要となる電力のことです。機器は一定稼働時より起動時に電力を大きく必要とすることがあります。

電気機器により起動電力は異なるため各取扱説明書を確認することをおすすめしますが、消費電力は電源アダプターや機器裏面の記載などで分かるものの起動電力が不明の場合、消費電力の3~5倍程度の余裕を見ておくと安心できるかと思います。

電気機器の消費電力めやす

消費電力は電気機械によってどの程度必要なのでしょうか?あくまでも目安ですが一般的に多く使用されている電気機器の消費電力は以下のとおりです。(あくまでも目安ですよ)

電気機器消費電力(W)起動電力(W)電気機器消費電力(W)起動電力(W)
扇風機50150テレビ300300
小型冷蔵庫100400大型冷蔵庫2501000
ノートパソコン150200デスクトップPC300800
電気ポット10001000炊飯器13001300
水銀灯4001600エアーコンプレッサー7503000

まとめ

災害時の停電時には発電機があれば電力の安定供給に大変役立ちますので、戸建てや企業での非常用として一台あると便利だと思います。

  • 一般的な戸建て/企業向けにおすすめの発電機は「ガソリン/軽油のインバーター方式発電機」がコストパフォーマンスが高く、電力を安定的に入手できる。
  • エンジン式発電機(ガソリン/軽油)は排気ガスと騒音(エンジン音)が発生するため、使用する際は近隣と調整した上で使用した方が良い。
  • 手動式発電機は燃料不要のメリットがあるが、発電量が小さいことから限定的な非常用として一台持っておくことは有用。
  • 使用する(したい)電気機器の消費電力及び起動電力を計算した上で発電機を入手しましょう。

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