子どもの防犯標語というと「いかのおすし」が有名ですが他にもあるのをご存じですか?
「つみきおに」と「はちみつじまん」も子どもを犯罪から守るために考えられた合言葉です。それぞれねらいが少し違っていて組み合わせるとより心強い備えになります。
この記事では、つみきおにとはちみつじまんの意味をひとつずつ整理し、2つの違いと組み合わせ方、家庭での教え方をまとめました。「いかのおすし」とあわせて、お子さんに合うものを選ぶ参考にしてみてください。
子どもの防犯標語は「いかのおすし」だけじゃない
防犯標語は、危ないときの行動を短くリズムよくまとめ、子どもがとっさに思い出せるようにしたものです。むずかしい説明を覚えるのは大人でも大変ですが、リズムのある合言葉なら小さな子でも自然と口ずさめます。これが標語の大きな強みです。もっとも広く知られているのが「いかのおすし」ですが、それぞれ視点の違う標語がいくつもあります。
覚えておきたいのが、行動をまとめた「つみきおに」と、危ない人の見分け方をまとめた「はちみつじまん」です。
このほかにも地域の見守りを表す「ひまわり」など、土地や学校によってさまざまな合言葉があります。たくさんあって戸惑うかもしれませんが、ねらいは共通しており「あやしい人に気づき、その場から離れて、大人に知らせる」という流れに行きつきます。
大人向けや住まいを守る合言葉まで含めた一覧はこちらにまとめました。

まずは代表的な2つを見ていきます。
つみきおに ―「何をするか」をまとめた合言葉
「つみきおに」は知らない人に声をかけられたときなどに、どう行動すればよいかをまとめた標語です。
- つ:知らない人には「ついていかない」
- み:「みんなといつもいっしょ」にいる(ひとりにならない)
- き:出かけるときは家の人に「きちんとしらせる」
- お:危ないときは「おおごえで助けを呼ぶ」
- に:怖いと思ったら「にげる」
「いかのおすし」と重なる部分が多いのが分かります。どちらも知らない人への対応と「逃げる・知らせる」という行動が中心です。学校や地域によってどちらを採用しているかが分かれています。
つみきおにのよいところは、「つみき」「おに」という身近な言葉に重ねてあり子どもがゲーム感覚で覚えやすいことです。語呂で覚えておけば思い出しやすくなります。
はちみつじまん ―「危ない人」を見分ける合言葉
一方の「はちみつじまん」は、防犯教育の専門家・清永奈穂さんが考えた標語でどんな人が危ないのかを見分けることに重点を置いています。次のような様子の人に注意という意味です。
- は:しつこく「はなしかけてくる」人
- ち:理由もないのに「ちかづいてくる」人
- み:道のはしでじっと「みつめてくる」人
- つ:いつまでも「ついてくる」人
- じ・ま:「じっとまっている」人
- ん:そんな人に会ったら「ん?」と注意する
「いかのおすし」や「つみきおに」が"どう動くか"を教えるのに対し、はちみつじまんは"危険にいち早く気づく"ことを助けてくれます。
ポイントは、こうした様子の人を見かけたら近づかずに距離をとること、人の多いほうや安全な場所へ移動することです。「なんとなくあやしい」と感じた直感を大切にしてよいと伝えてあげましょう。子どもの「なんか怖い」という感覚は意外とあてになるものです。
出典:怪しい人の特徴は「はちみつじまん」で覚えよう(ママスタセレクト)

似たような標語がいくつもあって、どれを覚えればいいのか迷っちゃうね。

全部を完璧に覚える必要はありませんよ。大事なのは「あやしい人に気づいて、その場から逃げて大人に知らせる」という流れ。家庭に合う合言葉をひとつ選べば十分です。
2つの標語の違いと、上手な組み合わせ方
つみきおにとはちみつじまんは、役割がはっきり分かれています。
- はちみつじまん:あやしい人に「気づく」ための見分け方
- つみきおに:気づいたあとに「どう動くか」の行動
この2つは**「気づく → 逃げる・知らせる」という2段構え**として組み合わせると、とても分かりやすくなります。「はちみつじまんで気づいて、つみきおにで動く」と覚えると、子どもにも流れが伝わりやすいでしょう。
例えば登校中に「道のはしでじっと待っている人」に気づいたら(はちみつじまん)、その人には近づかず、友だちと一緒に別の道を通り、家の人に知らせる(つみきおに)。こんなふうに、ふたつをつなげて具体的な場面で話すと実感がわくのではないでしょうか。
どんなに行動を覚えても危険そのものに気づけなければ間に合いません。逆に気づいても動けなければ守れません。「気づく」と「動く」は、どちらが欠けてもいけないものです。見分け方の標語と行動の標語を両方知っておくことに意味があります。
「いかのおすし」との関係・使い分け
「いかのおすし」「つみきおに」「はちみつじまん」はお互い補い合うものと考えます。
- まず最も有名で覚えやすい「いかのおすし」を基本にする。
- 余裕があれば、見分け方の「はちみつじまん」を足して気づく力を育てる。
- 学校で「つみきおに」を習っているなら、家庭でもそれにそろえる。
- 防犯に関心を持ち始めた子には、見分け方の「はちみつじまん」も一緒に伝える。
あれもこれもと欲張ると、かえってどれも中途半端になりがちです。お子さんの年齢や学校で習っているものに合わせて選ぶのがおすすめです。大切なのは、たくさん覚えることではなくひとつでも自分のものにして、いざというときに体が動くことです。「いかのおすし」のくわしい意味はこちらの記事でも紹介しています。

声かけは身近に起きている
「うちの子に限って」と思いがちですが、知らない人からの声かけや、あとをついてくるといった出来事は決してめずらしくありません。特にひとりになりやすい登下校の時間帯に起こりやすいといわれます。
何かが起きてから慌てるのではなく、普段から合言葉を通じて「こんなときはこうする」を共有しておくことが備えになります。怖がらせるのではなく「自分で自分を守れる」という自信を育てるつもりで伝えていけるとよいですね。あわせて「いやだ」「助けて」と大きな声を出す練習もしておくと安心です。ふだん大きな声を出し慣れていない子ほど一度声に出しておくことが、いざというときの力になります。
家庭での教え方
合言葉は家庭でくり返し声に出すことで身についていきます。次のような工夫が役立ちます。
- 理由とセットで伝える:「ついていくと危ないから、ついていかない」のように、なぜかを話す。
- ロールプレイをしてみる:「知らない人に『お菓子あげる』と言われたらどうする?」と、実際に練習する。
- 逃げ込める場所を確認する:「子ども110番の家」やお店など、近所の安全な場所を一緒に歩いて確かめる。
- 防犯ブザーも持たせる:いざというとき、声が出せなくても音で助けを呼べます。
- 家族みんなで同じ言葉を使う:きょうだいや祖父母も同じ合言葉にすると子どもが混乱しません。
こうした練習は、一度きりではなく定期的にくり返すのがコツです。子どもは成長とともに行動範囲が広がるので入学や進級のタイミングで見直すと良いかもしれません。
また防犯ブザーは、ランドセルの肩ベルトに金属フックでしっかり固定でき下校時にすぐ引ける位置に付けられるものだと安心です。男女別のデザインを選べる子ども向けのタイプなら、お子さんも身につけてくれるでしょう。
防犯ブザーの選び方や通学路の安全対策は、次の記事もあわせてご覧ください。


まとめ
子どもの防犯標語「つみきおに」と「はちみつじまん」について以下のとおりです。
- つみきおに:ついていかない・みんなと一緒など、いざというときの「行動」の合言葉
- はちみつじまん:話しかけてくる・ついてくるなど、「危ない人の見分け方」の合言葉
- 組み合わせ方:「はちみつじまんで気づく → つみきおにで逃げる」の2段構えが分かりやすい
- いかのおすしとの関係:競うものではなく補い合うもの。まずは1つを自分のものに
- 教え方:理由とセットで、ロールプレイや防犯ブザーもあわせて
どれか1つでも家族の合言葉としてしっかり根づけば十分です。合言葉は覚えるだけでなく「いざ動ける」ことが大切です。ぜひご家庭でお子さんと一緒に声に出してみてはいかがでしょうか。


