熱帯夜の寝ている間の熱中症対策|寝る前の備えと寝室の暑さの整え方

薄暗い寝室と2つのランプ 防災対策
この記事は約7分で読めます。

朝起きたときに頭が重い、体がだるいと感じることはありませんか?
その不調は寝ている間に熱中症が始まっていたサインかもしれません。熱中症は屋外で運動するときに起こるものと思われがちですが、実は家の中で眠っている時間も油断できません。暑さで寝苦しい熱帯夜が続くと気づかないうちに体から水分が失われていきます。
この記事では寝ている間の熱中症を防ぐために、寝る前の備えから起床時のチェックまでを公的資料をもとに整理しました。

スポンサーリンク

寝ている間にも熱中症は起きています

熱中症は屋外で運動するときに起こるものという思い込みは根強いのではないでしょうか。
しかし救急搬送のデータを見ると、その印象とは少し異なっています。

東京消防庁管内では、令和7年6月1日から9月30日までに、熱中症で9,125人が救急搬送されたとされています。発生場所別で最も多かったのは住宅などの居住場所で、3,288人(36.0%)とされています。特に65歳以上の高齢者では、住宅などの居住場所が2,229人(46.4%)と、およそ半数を占めています。外で起きるイメージの強い熱中症が、実は暮らしの場でこれだけ多く発生しているわけです。

出典:東京消防庁「熱中症に注意」

防犯くん
防犯くん

熱中症って外で運動するときのものでしょ?家で寝てるときは平気なんじゃないの?

防災さん
防災さん

実は救急搬送の発生場所は住宅がいちばん多いようですよ。寝ている間は暑さに気づきにくいので環境を整えておくことが大切ですよ。

なぜ寝ている間の熱中症は見過ごされやすいのでしょうか。
理由の一つは、眠っている間は暑さやのどの渇きに自分で気づきにくいことだと考えられます。起きていれば「暑い」「水を飲もう」と感じて動けますが、眠っている間はその反応が働きにくくなります。夜のあいだはこまめな水分補給もしにくく、寝る前に飲んでから朝までの数時間、水分をとらないまま過ごすことも多いはずです。

さらに寝ている間も体は汗をかき続け、体の水分は少しずつ失われていきます。暑くて寝苦しい夜ほど、その量は増えやすくなります。こうした条件が重なる熱帯夜は、自分では気づかないうちに体の水分が不足しやすい時間帯だと言えそうです。だからこそ眠る前に環境を整えておくことが、寝ている間の備えとして大切になってきます。

熱帯夜とは?寝室の暑さの正体

「熱帯夜」という言葉はよく耳にしますが、正確な意味をご存じでしょうか?
気象庁によると、熱帯夜は夜間の最低気温が25度以上のことを指しています。
ちなみに「熱帯夜」という言葉は気象庁の統計種目には入っていない用語だという豆知識もあります。
昼の暑さには、日最高気温が30度以上の日を指す真夏日や、35度以上の日を指す猛暑日といった分かりやすい指標があります。それに比較し夜の暑さは指標として目立ちにくく、つい見過ごされやすいのかもしれませんが夜になっても気温が25度を下回らない日が続けば、体は休む間もなく暑さにさらされ続けることになります。

出典:気象庁「予報用語 気温、湿度」

では、寝室の暑さはどこから来るのでしょうか。
日中に壁や天井にたまった熱は夜になっても室内に残り、外気温が下がっても室温がなかなか下がらないことがあります。窓を開けても、こもった熱が抜けきらないまま朝を迎えるということも少なくありません。
環境省の日常生活に関する指針では、暑さ指数が28以上のときは「外出時は炎天下を避けて室内では室温の上昇に注意」とされています。室内や室温への注意は、日中の暑い時間だけでなく夜の寝室にもそのまま当てはまると言えます。

出典:環境省「暑さ指数(WBGT)について」

しかし寝室の暑さは体感だけではなかなか分かりにくいものです。「まだ大丈夫」と思っていても、室温や湿度は思ったより上がっていることがあります。そこで寝室に温湿度計や熱中症指数計を設置し暑さを数値で確かめておくと安心です。ベッドや布団の近くなど寝ているときの体に近い高さに置くと、より実際の環境に近い数値が分かります。

高齢者の室内熱中症対策|気づきにくいリスクと家族の見守り5点
高齢者の室内熱中症対策を「自覚しにくい3つのリスク」と家族の見守りチェックで解説。温湿度計・クールネックリング・冷感寝具・OS-1など揃えたい5点、エアコン使用の心理ハードル克服、応急処置までまとめました。

寝る前にやっておく3つの備え

寝ている間の熱中症を防ぐには眠る前のひと手間が効いてきます。

① 寝る前と起きたあとの水分補給

環境省の情報では、起床時や入浴前後に水分を補給すること、のどが渇く前に水分をとることが勧められています。就寝の前後は体の水分が減りやすいタイミングなので、コップ1杯を目安に飲んでおくと安心です。夜中に目が覚めたときのために枕元に飲み物を用意しておくのもよい方法です。

出典:環境省 熱中症予防(ecojin)

② 寝室を早めに冷やしておく

環境省は、屋内ではエアコン等を適切に使用し涼しい環境で過ごすことを呼びかけています。ここで意外と見落とされがちなのが、冷やし始めるタイミングです。寝る直前にあわててスイッチを入れても、こもった熱はすぐには抜けず、なかなか寝室が涼しくなりません。就寝の少し前から運転を始めておくと寝つきも楽になります。

出典:環境省「熱中症警戒情報とは」

防犯くん
防犯くん

寝るときにエアコンをつけっぱなしにすると体に悪くない?

防災さん
防災さん

環境省も暑い時期はエアコン等を適切に使うよう呼びかけているとされています。冷やしすぎには注意しつつ、タイマーや扇風機と組み合わせるなど家庭に合った方法で室温を保つのがおすすめです。

③ 寝室に温湿度計を置く

環境省の情報でもリビングや寝室に温度計を設置をポイントとしており、併せて室内を冷やしすぎないよう注意し適切に室温を調整することも案内されています。数値で管理できると、暑さだけでなく冷えすぎにも気づきやすくなります。寝る前に温度と湿度を確かめる習慣がつくとエアコンや扇風機の設定を見直すきっかけにもなります。

出典:環境省 熱中症予防(ecojin)

赤ちゃんの夏の暑さ・熱中症対策|場面別の守り方と便利グッズ
赤ちゃんの夏の暑さ・熱中症対策を場面別にご紹介します。言葉で訴えられない赤ちゃんの熱中症サインの見分け方、水分補給の基本、保冷シートやファン付きシートなど揃えたいグッズ4点、災害時の備えもまとめました。

寝ている間と起きたときの注意

また涼しさを朝まで保てるか気になるところです。夜通しエアコンを控えめの温度で運転する方法もあれば、タイマーで一定時間だけ動かし扇風機と組み合わせて空気を回す方法もあります。ただし冷やしすぎには注意が必要です。

朝の起床時について、環境省の情報では起床時にも水分を補給することが勧められています。眠っている間に失われた分を、まずコップ1杯の水で補っておきたいところです。

出典:環境省 熱中症予防(ecojin)

家族への目配りも忘れずに。高齢のご家族や小さなお子さんは、暑さやのどの渇きに自分では気づきにくいことがあります。環境省も、高齢者やこどもは熱中症になりやすいとして、身近な方による見守りや声かけを呼びかけているとされています。

出典:環境省「熱中症警戒情報とは」

停電時の熱中症対策グッズ|電気不要〜ポータブル電源まで価格帯別にまとめ
真夏の停電に備える熱中症対策グッズを価格帯3段階(電気不要/USB・電池式/ポータブル電源連携)で揃える方法を紹介。冷感タオル・ネッククーラー・USB扇風機から大型ポータブル電源まで救急要請の目安もまとめました。

寝室に置きたい暑さ対策グッズ3点

寝室の環境を整えるのに役立つグッズを紹介します。
どれも寝床のまわりに置きやすく、今夜からの暑さ対策として取り入れやすいものです。特別な準備はいらないので気になったものから試してみるとよいでしょう。

寝室の暑さを見える化する「温湿度計・熱中症指数計」

寝室の暑さを数値で確かめるなら、温湿度計や熱中症指数計をベッドサイドに置いておくと就寝前のひと確認に向いています。
置き場所に困らない小型で暗い寝室でも数字が見やすいものだと使いやすいです。暑さ指数まで表示できるタイプだと危険度の目安もひと目でつかめます。

体に触れる面を涼しく保つ「冷感敷きパッド」

寝床にこもった熱が気になる夜には冷感敷きパッドがおすすめです。
接触冷感の素材は横になった瞬間のむっとした暑さをやわらげてくれます。洗えるタイプを選べば汗ばむ夏でも繰り返し清潔にできます。

頭や首元をひんやりさせる「保冷枕・アイス枕」

寝つくときの暑さをやわらげたいなら保冷枕やアイス枕も候補になります。
頭や首元をひんやりさせることで寝苦しい夜の寝つきを助けてくれます。冷たさが直接あたると刺激になりやすいので、タオルで包んで使うと冷えすぎを防げます。

夜間に豪雨×停電が起きたら|避難判断と5アイテム使い分け早見表
夜間 豪雨 停電が同時に起きたときの避難判断と5アイテム(ヘッドライト・ランタン・懐中電灯・防災ラジオ・ポータブル電源)の使い分けを解説します。垂直避難の判断やライト3種の優先順位も家庭目線でまとめました。

まとめ:熱帯夜も安心して眠るために

  • 熱中症の発生場所は住宅が最も多いとされ寝ている間も油断できません(東京消防庁管内のデータ)
  • 熱帯夜は夜間の最低気温が25度以上の夜で、昼の暑さに比べ夜の暑さは指標として見過ごされがち
  • 寝る前の水分補給・早めの冷房・寝室への温湿度計の設置を推奨
  • 起きたときの水分と体調チェック