タワーマンション・高層階にお住まいの方は災害への備えについて 低層階と同じ内容 で済ませていませんか?
実は高層階特有のリスクが7つ程あり備えの優先順位も変わってくるとされています。
この記事では階数別の早見表(〜10階/11〜30階/31階以上) で備えの違いを整理し、「低層と同じでは足りない」7つの理由・3大リスク(停電・断水・長周期地震動)・タワマン特有の装備3点 をまとめました。
タワマン・高層階の防災「低層と同じ備えでは足りない」7つの理由
タワーマンション・高層階居住者が、低層階と同じ備えでは対応しきれない理由を整理します。
7つの理由
- 階段の上り下りで体力消耗:エレベーター停止時、20階以上の上り下りは身体的負担が大きい
- 揚水ポンプ停止で水が届かない:高層階への給水はポンプに依存するため、停電でポンプが止まると上階ほど水が止まりやすいとされる
- 長周期地震動で揺れが増幅:高層階ほど揺れが大きく長く続く特性がある
- 物資輸送が遅れる:階段で各戸に配るのは現実的に困難
- 救援が後回しになるケース:戸建て・低層を優先する場合がある
- 窓ガラス飛散リスク:強風・地震で割れる可能性がある
- エレベーター閉じ込め:地震発生時に停止し、閉じ込めが発生することがある

マンションって地震に強いから安心じゃないの?

建物そのものは耐震性が高いことが多いんです。ただし停電・断水・エレベーター停止といったライフライン停止は特に少し古い物件であれば別問題なんですよ。
1週間以上の長期化を想定
南海トラフ巨大地震の被害想定では電力の復旧に数日〜2週間、上下水道やガスはさらに長く1か月以上 を要する可能性もあるとされています。高層階は 物資輸送・救援の優先度 で不利になる可能性も指摘されており低層階より長めの備蓄が望ましいとされています。
1週間備蓄の全体像は関連記事もあわせてご参考ください。

階数別 リスクと備え 早見表
階数で 主なリスクと推奨される備えの優先度 が変わります。以下の早見表で整理しました。
階数別 リスクと備え 早見表
| 区分 | 階数 | 主なリスク | 推奨される備えの追加項目 |
|---|---|---|---|
| 低層 | 〜10階 | 通常マンション同等 | 一般的な防災備蓄+家具固定 |
| 中層 | 11〜30階 | エレベーター停止が長時間化 | +階段キャリーカート/水を多めに |
| 高層 | 31〜49階 | 揺れ増幅/救援優先度低 | +ポータブル電源/長期備蓄2週間/家具強化固定 |
| 超高層 | 50階以上 | 上記すべて+停電時の階段移動が現実的でない | +在宅完結を前提に1〜2週間備蓄+電源確保 |
階数別「水」の必要量目安
階段で水を運ぶ負担を考えると高層階ほど 多めに備蓄 しておくのが望ましいとされています。
| 階数 | 1人1週間の水備蓄目安 | 家族4人なら |
|---|---|---|
| 〜10階 | 約 21L | 約 84L |
| 11〜30階 | 約 30L(補給困難を想定) | 約 120L |
| 31階以上 | 約 42L(2週間想定推奨) | 約 168L |
階数別「食料」の必要量目安
火を使わず食べられるものを 階数に応じて多めに 備える考え方が推奨されているとされます。
- 低層:1週間分(1人 21食)
- 中層:1週間〜10日分(1人 21〜30食)
- 高層〜超高層:2週間分(1人 42食)
階数別の食料備蓄は長期保存食を中心に組むのが効率的です。詳細は関連記事もあわせてご参考ください。

3大リスク① 停電(エレベーター停止・揚水ポンプ停止)
タワマン・高層階で停電が起きると低層階より 影響が広範囲 に及びます。
停電で起きる連鎖
- エレベーター停止 → 階段移動が必須に
- 揚水ポンプ停止 → 高層階に水が届かない(後述)
- 玄関オートロック停止 → 機械式キー・カードキーが使えないことがある
- 共用部の換気停止 → 内廊下の空気循環が悪化
- 充電不能 → スマホ・モバイルバッテリーの長期管理が課題

停電してもすぐ復旧すると思うんだけど?

大規模災害だと数日〜1週間続くこともあります。揚水ポンプが止まると高層階は水も止まるので長期化想定の備えが大切ですよ。
階段で水を運ぶ現実
例えば20階に住んでいる場合、停電下で 1階の給水車から2Lペットボトル6本 を持って階段で上がると目安として15〜20分程度・重さ約12kgの負担になると考えられます。1日数回の往復は体力的に難しい場合もあります。
自宅で過ごせない場合の選択肢
長時間の停電で在宅生活が難しい場合、車中泊や親戚宅への避難も選択肢になります。災害時の車中泊で気をつけたい健康リスクは関連記事もあわせてご参考ください。

3大リスク② 断水(高層階に水が届かない)
マンションの給水方式にはいくつかの種類があり(屋上の高置水槽に汲み上げる方式・ポンプで各戸へ直送する方式・超高層では中間階に水槽を設ける方式など)、超高層では必ずしも屋上タンク方式とは限らないです。ただし いずれの方式でも高層階への給水はポンプに依存する ため停電でポンプが止まると高層階は 断水しやすい 点は共通しています。
高層階の水回りの仕組み
- 地下や1階に 受水槽(地上から水を貯める)
- ポンプ で各戸へ送水(高置水槽方式では屋上の高架水槽へ上げて重力給水/直送方式ではポンプで直接給水)
- どの方式も ポンプが動かないと上階へ水が届きにくい
- 高置水槽方式の場合、ポンプが止まると 数時間〜半日でタンクが空 になると推測される
断水時の影響
- 飲料水:階下から運ぶ/備蓄を取り崩す
- 手洗い:ウェットティッシュで代替
- トイレ:水洗が使えない → 携帯トイレが必須
- シャワー・入浴:当面は控える/体ふきシートで代替
- 洗濯:使い捨て下着・タオル
携帯トイレの備蓄が特に重要
階段で水を運ぶ負担を考えると高層階こそ 携帯トイレを多めに 備えておくのが望ましいとされています。
- 1人1日5回×日数分
- 凝固剤+袋セット の大容量タイプ
- 室内設置可能な簡易便座 も候補
災害用トイレの選び方は関連記事もあわせてご参考ください。

3大リスク③ 長周期地震動(家具転倒・揺れ増幅)
高層階特有の地震リスクが 長周期地震動 です。南海トラフ地震などの 規模の大きな地震ほど発生しやすい とされ高層建築の固有周期(数秒〜10秒)に共振して 揺れが増幅 されます。
長周期地震動の特徴
- 規模の大きな地震(南海トラフ地震などの巨大地震)で発生しやすいと考えられる
- 高層階ほど 揺れが大きく なる
- 揺れが 数分間、長い場合は10分以上続く こともある
- 家具・家電が 転倒・大きく移動 する
- エレベーターのケーブルが破損する可能性も指摘されている

同じ地震でも階数で揺れって違うの?

高層階は揺れが増幅されて長く続く「長周期地震動」の影響を受けやすいんです。家具固定を低層より念入りにしておくと安心ですよ。
家具固定の優先順位
東京消防庁の 自宅の家具転対策 でも、家具固定は 転倒による死傷リスク を下げるための基本対策とされています。
優先して固定したい家具・家電:
- 食器棚・本棚(倒れると逃げ道を塞ぐ)
- テレビ(高位置・液晶大型)
- 冷蔵庫(重量大・転倒で大きな被害)
- 電子レンジ(高位置からの落下リスク)
- タンス・チェスト(寝室は特に注意)
固定方法の基本
- L字金具・突っ張り棒 の併用が望ましいとされる
- 耐震マット を家電下に敷く
- キャスター付き家具 はロックして固定具に
- 食器棚は扉ロック で中身の飛散を防ぐ
- 寝室に背の高い家具を置かない のが基本
タワマン特有の備え3点
タワマン・高層階で 特に役立つ装備3点 をご紹介します。低層階の備えに加えて追加で揃えておきたいアイテムです。南海トラフ地震対策の 内閣府ポータル でもライフライン停止下の備えが推奨されています。
① 防災ポータブル電源
停電下の スマホ・LEDライト・小型調理器具の電源確保 が中核装備です。揚水ポンプ停止で水も止まる高層階では情報収集・連絡手段の維持が重要とされます。
- 容量500Wh〜1000Wh(スマホ50〜100回充電可能)
- AC・USB・シガーソケット 多出力対応
- ソーラーパネル併用 で日中充電可能
- 車中泊・キャンプ・停電 全方位で活躍
防災ポータブル電源の選び方は関連記事もあわせてご参考ください。

② 階段荷物キャリーカート
エレベーター停止時に 階段で水・食料を運ぶ ための装備です。タワマン特化の必須アイテムと言えるかもしれません。
- 階段昇降対応 の3輪 or 6輪タイプ
- 耐荷重30kg以上(水ペットボトル数本+食料)
- 折りたたみ式 で収納場所を取らない
- 平時の買い物・引越し にも兼用可能
③ 家具転倒防止グッズ
長周期地震動対策として家具固定 は高層階で特に効果が高いと考えられます。突っ張り棒タイプ+耐震マットの定番セットがおすすめです。
- 突っ張り棒タイプ(天井と家具の隙間に設置)
- 耐震マット(家電下に敷く)
- L字金具(壁固定・要工事)
- 複数の家具・家電 に揃って設置するのが望ましい
まとめ
タワマン・高層階の防災の要点を整理しました。
- 7つの理由:階段移動/揚水ポンプ停止/長周期地震動/物資輸送遅延/救援優先度/窓ガラス飛散/エレベーター閉じ込め
- 階数別:〜10階/11〜30階/31階以上で備えの優先度が変わる
- 3大リスク:停電(連鎖)/断水(揚水ポンプ)/長周期地震動(家具転倒)
- 水の備蓄目安:高層ほど多め(家族4人で84〜168L)
- 食料の備蓄目安:高層ほど多め(1人21〜42食)
- 装備3点:防災ポータブル電源+階段キャリーカート+家具転倒防止グッズ
低層階と同じ備えでは足りない、タワマン特有のリスクを知って 「在宅で安心して過ごせる準備」 を整えるのが大切です。ぜひご家族で確認してみてはいかがでしょうか。


