旅行や帰省で家を空けるとき防犯のために電気をつけっぱなしにしておこうかと迷ったことはありませんか?
「明かりがついていれば、誰かいると思って空き巣も入らないだろう」——そう考える方は多いものです。一方で「電気代がもったいない」「本当に効果があるの?」という疑問もつきまといます。実はこの「つけっぱなし」は、やり方しだいで防犯になることもあれば、かえって留守を教えてしまうこともあります。
この記事では留守中の電気つけっぱなしが防犯に効果があるのか、逆効果になる場合、気になる電気代の目安、そしてもっと効果的な「在宅を装う」正しいやり方までを空き巣対策の観点からまとめてご紹介します。
電気のつけっぱなしは防犯に効果がある?
結論からいうと電気のつけっぱなしには一定の防犯効果が期待できます。
ホームセキュリティのALSOKの解説によると、周囲が明るくなることで侵入時に顔や行動が目につきやすくなるため、電気のつけっぱなしは防犯に一定の効果が期待できるとされています。空き巣の多くは「人に見られること」「目立つこと」を嫌うため、家に明かりがついていて人の気配があると侵入をためらいやすくなるのです。
特に誰もいない真っ暗な家は「留守です」と知らせているようなもの。夜間に明かりがまったくつかない日が続くと、空き巣に「この家は今、留守だ」と気づかれるきっかけになります。その意味で明かりをつけて在宅を感じさせることには意味があります。
ただしこれはあくまで「一定の効果」であって、つけっぱなしにすれば絶対に安全というわけではありません。むしろやり方によっては逆効果になる可能性もあるのです。
「つけっぱなし」だけでは逆効果になることも
電気をつけっぱなしにするとき注意したい落とし穴が2つあります。
1つめはカーテンを開けたままにしてしまうことです。ALSOKの解説でも電気をつけていても室内が見えている状態では住人が不在だと分かってしまうと指摘されています。外から部屋の中が丸見えだと、人がいないことや家の中の様子(金目のものがありそうか)まで見られてしまいます。留守中も在宅中もカーテンは必ず閉めておくことが大切です。
2つめは同じ部屋の同じ明かりが何日も同じようについていることです。昼間も夜中もずっと一室だけが点灯し続けていると生活感がなく「タイマーか、つけっぱなしだな」と見抜かれることがあります。人が生活していれば時間帯によって使う部屋も明かりも変わるものです。不自然に固定された明かりは、かえって留守を疑わせてしまいます。
これはタイマーを使う場合も同じです。毎日まったく同じ時刻に同じ部屋が点いて消えるだけだと、何日も観察されたときに「機械的だ」と見抜かれることがあります。点灯する部屋や時刻に少し幅を持たせると、より自然になります。
つまり、ただ「つけておく」だけでは不十分でありいかに自然な生活感を演出するかが鍵になります。
空き巣は「下見」で留守を見抜く
なぜ自然さが大事なのか。それは空き巣の多くが侵入前に「下見」をするからです。
ALSOKの解説でも空き巣は侵入前に下見を行い、防犯意識の高さや侵入のしやすさをチェックするといわれています。下見では次のようなポイントが見られていると考えられます。
- 郵便受けにチラシや郵便物がたまっていないか
- 洗濯物が何日も干しっぱなし、または一枚もないか
- 夜になっても明かりがつかない日が続いていないか
- 昼も夜も同じ明かりだけがついていないか
さらに空き巣は、インターホンを鳴らして反応がないかを確かめ留守かどうかを判断することもあるといわれます。在宅を装うならばこうした下見の段階で「留守ではなさそうだ」と思わせ、あきらめさせることが大切です。一般に侵入に手間取るほど空き巣はあきらめやすく、「入りにくく、人がいるかもしれない家」だと感じさせることがもっとも効く抑止になります。
警察庁の統計でも住宅を狙った侵入窃盗のなかで空き巣は大きな割合を占めるとされています。こうした被害に遭わないためには「留守だと気づかれない」工夫、つまり生活しているように見せることが効果的なのです。
つけっぱなしの電気代はどれくらい?
「効果はわかったけれど、電気代が心配」という方のために、目安を計算してみましょう。電気代は、消費電力(W)× 使用時間 ÷ 1000 × 電気料金の単価(1kWhあたり)で求められます。
たとえば60形相当の**LED電球(消費電力およそ8W)**を1日中(24時間)つけっぱなしにした場合、1日あたり約0.19kWh、1か月で約5.8kWhほどです。電気料金の単価を1kWhあたり約31円とすると、1か月あたり約180円が目安になります(単価は契約や時期で変わります)。
一方で昔ながらの**白熱電球(54Wなど)**を同じように使うと、消費電力が大きいぶん1か月で1,000円を超えることもあります。防犯のために明かりを使うなら消費電力が小さく発熱も少ないLEDが断然おすすめです。
なお防犯目的なら一晩中すべての部屋をつける必要はありません。必要な時間帯に必要な部屋だけを点ければ月数百円程度に抑えながら効果を得られます。「電気代がもったいないから真っ暗」にするより「最小限の明かりで在宅を装う」ほうが、ずっと費用対効果の高い備えといえます。後述するタイマーで「必要な時間だけ」点灯させると効果と節約を両立できます。
効果的なのは「タイマー・スマート照明で在宅を装う」
ここまでをふまえると、もっとも効果的なのはただのつけっぱなしではなく、生活リズムに合わせて明かりをオン・オフすることだと分かります。
ALSOKの解説でも常時つけておくことに抵抗がある場合は、照明器具のタイマー機能や、スマートフォンから遠隔操作できる照明の活用がすすめられています。タイマーを使えば、例えば「夕方に玄関とリビングが点灯し、夜遅くに寝室がつき、深夜に消える」といった人がいるような明かりの動きを再現できます。複数の部屋で時間差をつければより自然です。
タイマー付き照明の選び方や使い方はこちらの記事で解説しています。

在宅を装うなら明かりの「動き」に生活のリズムを持たせるのがポイントです。たとえば夕方〜夜は玄関とリビングを点灯して帰宅後の時間を演出し、夜が更けたらリビングを消して寝室や廊下の明かりに切り替え、就寝の流れを再現します。早朝に短時間だけ点灯させれば起床も感じさせられます。すべての部屋を一晩中つけっぱなしにするより、こうして時間帯ごとに点灯場所が移り変わるほうがずっと自然で生活感があります。曜日によって少しパターンを変えられると、なお効果的です。
さらにスマートホーム化すれば、外出先からスマホで照明やテレビを操作したりランダムに点灯させたりもできます。在宅を装う手段として、今もっとも自由度が高い方法です。

屋外では人が近づくと自動で点灯する人感センサーライトも効果的です。常時つけておく必要がないので電気代を抑えられるうえ、不審者が近づいた瞬間に明るくなることで「見られている」と感じさせ侵入をためらわせます。玄関や勝手口、家の死角になりやすい場所に設置すると留守中も在宅中も役立ちます。
明かりだけでなくテレビやラジオの音で在宅を装う方法も組み合わせると、より効果が高まります。視覚(明かり)だけでなく聴覚(音)にも訴えると外から見ても聞いても「人がいる」印象が強まるためです。タイマーでテレビやラジオが自動でつくようにしておく手もあります。ただし近所迷惑になるほどの音量は避け、自然な生活音のレベルにとどめるのがコツです。
照明以外の留守対策とあわせる
明かりの工夫は、あくまで留守対策の一部です。下見で「留守」と気づかれないためには次のような対策もあわせて行いましょう。
- 郵便物・新聞をためない:長期不在なら、新聞は止め、郵便は局留めや一時停止を検討します。
- SNSに「今、旅行中」と投稿しない:出先からのリアルタイム投稿は留守を世界に知らせることになります。
- 宅配の予定を整理する:不在票がたまるのも留守のサインです。
- 補助錠やカメラで物理的にも備える:明かりで「入りにくそう」と思わせつつ、鍵やセンサーで実際に入りにくくします。
- 信頼できるご近所に一声かけておく:長期不在を伝えておくと郵便物の様子などを気にかけてもらえます。声をかけ合える関係は、それ自体が抑止力になります。
長期で家を空けるときの総合的な空き巣対策は、こちらの記事にまとめています。

お盆や年末年始など帰省で長く留守にするときの段取りは、こちらも参考になります。

一人暮らし・女性の世帯で気をつけたいこと
一人暮らし、特に女性の世帯では留守対策に加えて「一人暮らしだと気づかれない」工夫も大切です。表札をフルネームにしない、ベランダに女性ものの洗濯物を干しっぱなしにしない、カーテンは中が透けない厚手のものを選ぶなど生活の情報を外に出しすぎないことが、空き巣だけでなく、つきまといなどの防止にもつながります。明かりの工夫とあわせて、こうした目線も持っておくと安心です。
一人暮らしの女性向けの防犯対策は、こちらの記事でまとめています。

まとめ
留守中の電気つけっぱなしが防犯になるのか、効果と電気代、そして正しいやり方についてご紹介しました。
電気のつけっぱなしには一定の防犯効果がありますが、カーテンを開けたままだったり同じ明かりが固定でついていたりすると、かえって留守を見抜かれてしまいます。LED電球なら電気代は1か月あたり数百円程度が目安ですが、より効果的なのは、タイマーやスマート照明で「人がいるように」明かりを動かすことです。可能なら、テレビやラジオの音、屋外の人感センサーライトも組み合わせると在宅感がいっそう高まります。
明かりの工夫に郵便物の管理や鍵の対策を組み合わせれば、空き巣に「入りにくく、留守と気づかれない家」に近づけます。家を空ける前に見直してみてください。


