スマホに「熱中症警戒アラート」の通知が来たときに「暑いのはもう知ってるよ」と流していませんか?
このアラートは「今日は暑い」というお知らせではなく熱中症の危険がきわめて高いと予測された日にだけ出される行動を変えるためのサインです。ところが基準になっている「暑さ指数(WBGT)」が気温と混同されやすく、「33って気温のこと?」と思われがちです。
この記事では熱中症警戒アラートの見方を暑さ指数の意味から、発表された日にやること、毎朝の確認習慣まで順にご紹介します。
熱中症警戒アラートとは
環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症警戒アラートは翌日または当日の日最高暑さ指数(WBGT)が33に達すると予測された場合に発表されます。環境省と気象庁が連携して運用している情報で発表は前日の夕方と当日の早朝の2回のタイミングがあるようです。
ポイントは、めったに出ない「特別な日」のサインだということです。梅雨明け直後や猛暑のピークに都道府県単位で発表されます。テレビの天気予報・スマホの通知・自治体の防災無線などで「熱中症警戒アラートが発表されています」と聞いたら、その日は「いつもの夏の日」ではないと受け取ってください。
なお発表が都道府県(予報区)単位のため、「うちのあたりはそこまで暑くない気がする」という日もあります。これは県内のどこか1地点でも33に達する予測があれば発表される仕組みのためです。
逆にいえば、自分の街の体感がアラートより軽くても通勤・通学先や外出先が当てはまる可能性があります。「県のどこかが危険な日」と広めに受け取るのが安全です。
さらに2024年からは、1段階上の熱中症特別警戒アラートの運用も始まっています(環境省「熱中症特別警戒情報とは」)。
県内すべての観測地点で暑さ指数35以上が予測されるという過去に例のない危険な暑さが想定される場合に前日の昼すぎに発表されるとしています。こちらは「健康に重大な被害が生じるおそれ」のレベルで出た場合は外出の予定そのものを見直す段階です。
特別警戒アラートが出た日は、自治体が公共施設などを**クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)**として開放することがあり、自宅の暑さをしのげないときの避難先になります。お住まいの自治体がどこを指定しているかを夏前に調べておくと迷いません。
暑さ指数(WBGT)の見方|気温33℃とは別物
アラートの基準「33」は気温ではありません。**暑さ指数(WBGT)**という、気温・湿度・日射などを組み合わせた熱中症リスク専用の指標です。特に湿度の影響が大きいとされていて、同じ気温30℃でもカラッとした日とジメジメした日では暑さ指数が大きく変わります。湿度が高いと汗が蒸発しにくく体の熱を逃がせなくなるためです。
環境省のサイトでは暑さ指数の段階ごとに行動の目安が示されています。アラートの基準も、この段階の延長線上にあると考えると位置づけがつかみやすくなります。
| 暑さ指数(WBGT) | 区分 | 行動の目安 |
|---|---|---|
| 25以上28未満 | 警戒 | 運動の合間に積極的に休息をとる |
| 28以上31未満 | 厳重警戒 | 激しい運動は中止する |
| 31以上 | 危険 | 運動は原則中止する |
| 33以上 | 熱中症警戒アラート | 外出・運動を「やめる・ずらす」 |
| 35以上(県内全地点) | 熱中症特別警戒アラート | 外出の予定そのものを見直す |
つまり「31」の時点ですでに運動は原則中止のレベルでアラートの基準「33」はそのさらに上です。「気温33℃ならよくあるし大丈夫」という感覚で受け取ると危険度を2段階くらい読み違えることになります。
もうひとつが暑さ指数は屋内にもあるということです。風通しの悪い部屋・キッチンの火のそば・浴室の脱衣所などは屋外より暑さ指数が高くなることがあります。市販の暑さ指数計(WBGT計)を居間や寝室に置けば、「この部屋は今どの段階か」を数字で判断できるようになります。

暑さ指数33って気温33℃のことじゃないの?

別物なんです。暑さ指数は気温に加えて湿度や日射も入れた指標で湿度の影響が大きいとされています。暑さ指数31で「運動は原則中止」ですから、33は気温でいえば体感35℃超の危険な暑さと受け取ってください。
アラートが出た日にやること
環境省のサイトで呼びかけられている行動を整理します。
- 外出・運動は「やめる・ずらす」:不要不急の外出は控え、どうしても必要な用事は朝夕の涼しい時間帯へ。運動やスポーツの予定は中止・延期が基本。子どもの部活や習いごとも「今日はアラートの日だから」と休む判断をためらわない
- エアコンをためらわず使う:屋内でも熱中症は起こります。「夜だから」「風があるから」と我慢せずに昼夜を問わず適切に使うこと。アラートが出るような日は夜も気温と湿度が下がりにくく就寝中の発症も指摘されているため、寝るときの冷房も切らない方が安心です。
停電や節電が重なった場合の暑さ対策はこちらの記事でまとめています

- こまめな水分・塩分補給:のどが渇く前に飲むのが基本です。起床直後と入浴の前後はとくに水分が失われやすいタイミングなのでコップ1杯を意識的に。大量に汗をかいたときは水だけでなく、経口補水液や塩分を含む飲料・塩分タブレットで塩分もあわせて補うと水だけを飲むより回復を助けやすいです。屋外で過ごす場合は日傘・帽子と合わせて、紫外線対策も同時に行うと負担を減らせます。

- 「自分で気づきにくい人」への声かけ:高齢の方は暑さやのどの渇きを感じにくくエアコンを我慢しがちです。離れて暮らす親には「アラートの日は電話する」と決めておくのがおすすめです。体温調節が未熟な赤ちゃんや暑さを訴えられないペットも同様にまわりの大人が先回りする必要があります


在宅ワークの方も油断は禁物です。「家にいるから大丈夫」と思いがちですが仕事に集中していると水分補給を何時間も忘れ、気づいたときには頭痛や倦怠感が出ていることがあります。アラートの日は、1時間ごとに一口飲むなどのリマインダーを仕事用のカレンダーに入れてしまうというのも一つの方法です。
毎朝の確認を習慣にする
アラートを「来たら見る」から「毎朝確認する」に変えると夏の行動全体が安定します。
- 環境省の熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)では、地点ごとの暑さ指数の予測が地図で確認できます。地図は1日3回(朝5時に当日分、14時と17時に翌日分)更新され前日の夕方に翌日の危険度を見ておけば予定の調整がききます
- スマホの通知:天気アプリの多くが熱中症警戒アラートのプッシュ通知に対応しています。環境省・気象庁の情報をもとにしたメール・LINE配信サービスもあるので、ご家庭で使いやすいものをひとつ設定しておきましょう
- アラートが出ていない日も油断しない:アラートは暑さ指数33という高いラインで発表されるため、出ていない日でも28〜31(厳重警戒〜危険)は普通に起こります。「アラートなし=安全」ではなく、暑さ指数そのものを見る習慣が理想です。特に梅雨明け直後や急に暑くなった日は体が暑さに慣れておらず、数値のわりに熱中症が起こりやすいです

アラートが出てない日なら、いつもどおり運動して大丈夫だよね?

そこが落とし穴なんです。アラートの基準33はかなり高いラインで出ていない日でも「運動は原則中止」の31に達することはよくあります。アラートの有無だけでなく、朝に暑さ指数の数字を見る習慣をつけるのが安心ですよ。
まとめ
熱中症警戒アラートの見方についてご紹介しました。最後に要点を振り返ります。
- アラート=暑さ指数33以上の予測日:環境省と気象庁が連携して発表。「いつもの夏の日」ではないサイン
- 暑さ指数は気温と別物:湿度の影響が大きいとされる。25警戒・28厳重警戒・31危険(運動原則中止)の3段階を覚える
- 特別警戒アラート(35以上):過去に例のない危険な暑さとされる。外出の予定そのものを見直す段階
- 出た日にやること:外出と運動はやめる・ずらす/エアコンは就寝中も我慢しない/水分・塩分は渇く前に/高齢者・子ども・ペットへの声かけ
- 毎朝の確認習慣:前日夕方と当日朝にチェック。家族のグループトークで共有。アラートなしの日も暑さ指数28超なら警戒
天気予報の「最高気温」だけを見て夏を過ごすのと、暑さ指数という危険度のものさしを持って過ごすのとでは判断の精度が大きく変わります。今年の夏が来る前にお使いの天気アプリで熱中症警戒アラートの通知をオンにしてはいかがでしょうか。


