南海トラフに備える備蓄で「1週間分」と言われても、どこから手をつければよいか分からない…そんな声をよく耳にします。
この記事では、「3日→1週間→2週間 の段階別チェックリスト」で必需品を整理し持ち出し袋との棲み分け・6カテゴリ別解説・ローリングストックのコツ をまとめました。最後に1週間備蓄を支える装備3点もご紹介します。
なぜ「1週間」なのか:南海トラフ被害想定の前提
備蓄を「1週間分」とする根拠は、南海トラフ巨大地震の被害想定 にあります。内閣府の想定では巨大地震発生時に ライフライン復旧まで数日〜2週間 かかるとされています。
ライフライン復旧の目安
| ライフライン | 復旧目安 |
|---|---|
| 電気 | 約 1週間 |
| 水道 | 約 数週間〜1か月 |
| ガス(都市ガス) | 約 4〜6週間 |
| 通信(携帯・固定) | 数日〜1週間 |
物資輸送には時間がかかる
被災直後は 道路の寸断・港湾被害 で物資が届きにくくなります。広域に被害が出る南海トラフでは最初の3〜7日は物資が乏しい状態が続く と想定されているとされています。
このため最低でも1週間、できれば2週間 の備蓄を持つことが推奨されているとされています。詳しくは 内閣府「南海トラフ巨大地震対策」 で確認できます。
自分の地域の津波の高さ・到達時間の目安(県別の段階バンド)は関連記事もあわせてご参考ください。

南海トラフ地震臨時情報が発表されたときの動き方は関連記事もあわせてご参考ください。

「持ち出し袋」と「備蓄」は別物:棲み分け早見表
「持ち出し袋」と「備蓄」は、目的・場所・量が異なる 別物 として揃えるのが基本とされています。
棲み分け早見表
| 項目 | 持ち出し袋(72時間) | 備蓄(1週間〜2週間) |
|---|---|---|
| 用途 | 即避難・避難所への持参 | 在宅避難・ライフライン復旧待ち |
| 置き場所 | 玄関・寝室(即持ち出せる場所) | 押し入れ・パントリー・分散保管 |
| 量 | 重さ5〜7kg/徒歩で運べる量 | 1週間分の水・食料・トイレ |
| 想定シーン | 自宅倒壊・津波避難 | 自宅は無事・停電断水続く |
| 更新サイクル | 半年に1回点検 | ローリングストックで日常消費 |

3日分の持ち出し袋があれば大丈夫なんじゃないの?

持ち出し袋は「即避難で外に持っていく用」、備蓄は「自宅にいるまま使う用」で目的が違うんですよ。両方あると安心です。
持ち出し袋の中身詳細は関連記事もあわせてご参考ください。

3日→1週間→2週間 段階別 必需品リスト
備蓄は 「3日分」「1週間分」「2週間分」 の3段階で揃えていくのが現実的とされています。一度に全部揃える必要はなく段階的に増やしていく考え方です(家族構成・住環境で増減します)。
【3日分】持ち出し袋の中身(最低限)
まずは持ち出し袋として 72時間分 を玄関・寝室に常備します。
- 水:1人 9L(1日3L×3日)
- 食料:1人 9食(おにぎり・パン・カロリーメイト等)
- ライト・ホイッスル・タオル・現金
- 持病の薬・連絡先メモ
【+1週間まで】備蓄として追加
3日分を超えた4〜7日目は 在宅避難 が前提になります。家にいる前提で必要量が増えます。
- 水:1人 21L追加(合計30L)
- 食料:1人 21食追加(合計30食)
- カセットコンロ+ガスボンベ 6本(1日1本目安)
- 携帯トイレ 35回分(1人1日5回×7日)
- ウェットティッシュ・体ふきシート
- LEDランタン・モバイルバッテリー
- ポリ袋・ラップ・紙皿
【+2週間まで】余力があれば
南海トラフ被害想定ではライフライン復旧に 2週間 かかる可能性も指摘されているとされています。余力があれば2週間分まで延長します。
- 水:さらに21L(合計約60L)
- 食料:さらに21食(合計約60食)
- カセットボンベ +6本(合計12本)
- 携帯トイレ +35回分
- 紙皿・割り箸・ラップ・ポリ袋の追加
- 歯みがきシート・口腔ケアグッズ
段階別の考え方
一気に揃えるとコストも収納も負担になります。「まず3日→ボーナス時に1週間→翌年2週間」 のように無理のないペースで段階的に整えていく考え方が望ましいとされています。
家庭備蓄の進め方は 農林水産省「家庭備蓄ポータル」 でも整理されていますのであわせて参考にしてみてはいかがでしょうか。
カテゴリ別解説:水・食・トイレ・熱源・衛生・情報
1週間備蓄を 6つのカテゴリ で整理すると必要量と選び方が見えやすくなります。
① 水(最重要)
- 1人1日3L が目安(飲料2L+調理・歯みがき1L)
- 家族4人×7日= 約84L
- 飲料以外に 手洗い・トイレ用水 も別途必要
- 保存水(5〜10年保存) + ローリングストック(500ml×24本ケース) の併用が現実的とされる
② 食料(火を使わない+温める)
- 火を使わず食べられるもの:缶詰・カロリーメイト・栄養補助食品
- 温められるもの:アルファ米・レトルトご飯・カップ麺
- 家族の好み に合うものを混ぜると食べやすい
- アレルギー・離乳食・高齢者向け は別途確認
③ トイレ(見落としがち)
断水時は 水洗トイレが使えなく なります。携帯トイレ が頼りです。
- 1人1日5回×7日=35回分(家族4人なら140回分)
- 凝固剤+袋セットの大容量パック
- 室内設置可能 な簡易便座タイプ

トイレって備蓄するもの?水を流せばいいんじゃないかな。

断水すると水洗トイレは使えなくなるんです。携帯トイレを家族人数×1日5回×日数分用意しておくと安心ですよ。
災害用トイレの選び方は関連記事もあわせてご参考ください。

④ 熱源(カセットコンロ)
電気・ガスが止まると 温かい食事 が作れなくなります。カセットコンロ+ガスボンベ で熱源を確保します。
- イワタニ製などの定番モデル が安心
- ガスボンベは 1日1本目安・7日で7本+予備
- 屋内使用OK/屋外使用は風防 を併用
⑤ 衛生(断水対応)
- ウェットティッシュ(除菌タイプ含む)
- 体ふきシート(1人1日2枚目安)
- 歯みがきシート
- オーラルケア用品(マウスウォッシュ)
⑥ 情報(停電下の情報収集)
- 防災ラジオ(手回し+電池)
- モバイルバッテリー(10,000mAh以上)
- ポータブル電源(500Wh以上)
- 紙の連絡先メモ(スマホが使えない場合の備え)
ローリングストック実践のコツ
備蓄の最大の課題は 「賞味期限切れ」 です。「災害用に買ったけどいつの間にか期限切れ…」を防ぐのが ローリングストック という考え方です。
ローリングストックとは
- 普段の食事で消費しながら買い足して備蓄を回す方法
- 災害用品を「特別な備え」ではなく「日常の延長」として持つ
- 賞味期限切れによる無駄を防ぎ習慣化しやすい

備蓄って賞味期限を切らしちゃいそうで続かないんだよね。

日常の食事で消費しながら買い足す「ローリングストック」が続けやすいですよ。災害食をキャンプの夕食にするのもおすすめです。
実践の4つのコツ
- 賞味期限の長い順に奥へ:手前から消費する習慣
- 月1回のチェック日を決める:「毎月1日に在庫確認」など
- 災害食をキャンプ・休日ランチで消費:味確認も兼ねる
- 買い足しを家族イベント化:「半年に1回の防災ショッピング」
カビ・劣化対策
備蓄食品・水は 温度・湿度管理 が大切です。直射日光・高温多湿を避けて分散保管しましょう。
備蓄のカビ・劣化対策の詳細は関連記事もあわせてご参考ください。

1週間備蓄を支える装備3点
1週間備蓄の 核となる装備3点 をご紹介します。在宅避難で「あって良かった」と多く挙げられるカテゴリです。
① 長期保存食
1週間分の食料を ローリングストック+長期保存食 で組むのが現実的とされています。災害時の温かい食事は心の支えにもなります。
- 5〜25年の長期保存(アルファ米・乾パン・缶詰)
- 家族人数 × 7日分 を目安に
- 加熱不要 or 水だけで戻せる ものを優先
- アレルギー対応・幼児用 も別途確認
長期保存食の選び方は関連記事もあわせてご参考ください。

② カセットコンロ+ガスボンベ
電気・ガスが止まったときに 温かい食事を作れる 熱源装備です。普段の鍋料理にも使えるためローリングストックと相性が良いとされます。
- イワタニ製などの定番モデル
- ガスボンベは 1日1本目安・7日で7本+予備3本
- 屋内使用OK(換気必須)
- 玄関・押し入れに分散保管
③ 携帯トイレ
断水時に 水洗トイレが使えなくなる 状況での頼みの綱です。家族人数分を多めに用意しておくのが望ましいとされています。
- 1人1日5回×7日=35回分(家族4人なら140回分)
- 凝固剤+袋セット の大容量パック
- 室内設置可能 な簡易便座タイプ
- 臭い対策の防臭袋 も別途用意
まとめ
南海トラフに備える家庭の備蓄リストの要点を整理しました。
- 1週間の根拠:南海トラフ被害想定でライフライン復旧2週間・物資輸送3〜7日
- 棲み分け:持ち出し袋(72時間・即避難)と備蓄(1週間〜・在宅避難)は別物
- 段階別:3日→1週間→2週間と無理なく増やしていく
- 6カテゴリ:水・食・トイレ・熱源・衛生・情報
- ローリングストック:日常で消費しながら回す
- 装備3点:長期保存食+カセットコンロ+携帯トイレ
備蓄は 「一気に揃える」ではなく「段階的に整える」 ものです。ぜひ家族で確認してみてはいかがでしょうか。


