3〜10階の一般マンション の防災をどう整えれば良いかご存じですか? タワマン高層階とも戸建てとも違う 「中低層階特有のリスクと対策」 があると考えられ、東京都防災ホームページや中央区の発表では 在宅避難前提の備え が望ましいとされています。
この記事では排水管損傷で「トイレ流すな」ルール・エレベーター閉じ込め初動3行動・共用部と専有部の役割分担 の3つの独自視点を起点に、突っ張り棒・簡易トイレ・エレベーター用品・L字金具の4点 を東京都防災・中央区・内閣府の発表をもとに整理しました。
マンション中低層階の災害特性
マンション中低層階(3〜10階)は、戸建て・タワマン高層階と異なる 5つの災害特性 があるとされます。本章で整理します。
マンション中低層階の5つの特性
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| ① 倒壊リスクは比較的低い | 鉄筋コンクリート造で耐震基準を満たす |
| ② 在宅避難前提 | 一般避難所より自宅が安全な場合が多い |
| ③ エレベーター停止 | 階段移動になる(3〜10階は徒歩可) |
| ④ 共用部の制約 | 管理組合の運用ルールに従う |
| ⑤ 排水管リスク | 上下階の連結で「流すな」ルール |
「中低層階だから安心」ではない理由
- 倒壊リスクは低くても 家具転倒・落下 で被災する
- エレベーター停止 で日常生活が一変
- 共用部の故障 で水・電気・トイレが使えない
- 災害情報を本人と家族で共有する仕組みも平時から整える


中低層階のマンションって戸建てや高層階とどこが違うの?

鉄筋コンクリート造で耐震基準を満たすため倒壊リスクは比較的低いとされていますよ。在宅避難前提で備えるのが現実的とされています。ただし、地震後に排水管が損傷していると「トイレ流すな」のルールが出ることもあるので簡易トイレの備蓄が重要と考えられますよ。
在宅避難の備え
- 内閣府指針では 「自宅が安全なら在宅避難原則」 とされる
- 在宅避難の考え方や支援の手引きは 内閣府「在宅避難者・車中泊避難者の支援に関すること」 で確認できます
- 食料・水・トイレ・薬の 7日分備蓄 が望ましい
タワマン高層階との違い
- エレベーター停止時の階段移動 は3〜10階なら徒歩可
- 救助到達 は中低層階のほうが早い
- 物資搬入 は階段で持ち運べる範囲
- ただし 排水管・エレベーター の共通課題は同じ
詳しいマンション防災は 東京都防災ホームページ「マンション防災」 で確認できます。
タワマン高層階の防災は別記事で詳しく扱っています。あわせてご参考ください。

次に排水管損傷でのトイレ使用禁止ルール を解説します。
排水管損傷で「トイレ流すな」ルール
マンション特有の 排水管(縦管)損傷リスク は戸建てにない独自の課題とされます。地震後に 「トイレ流すな」ルール が出される可能性があり簡易トイレの備蓄が必須とされます。
「トイレ流すな」ルールが出る背景
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 縦管の損傷 | 地震で上下階を貫く排水管が亀裂 |
| 下階への漏水リスク | 上階で流した水が下階に漏れる |
| 管理組合の判断 | 「使用可否」を点検後にアナウンス |
| 使用前の確認義務 | 全戸の点検が完了するまで控える |
地震後の確認手順
- 地震発生 → トイレ使用を一時中断
- 管理組合からの 「使用可否」アナウンス を待つ
- アナウンス前は 簡易トイレ で対応
- 「使用可」となるまで 通常の流す行為 は禁止
- 詳しい運用は 中央区「マンションの防災対策」 で確認できます
「使用可否」を待つ間の対応
- 簡易トイレ を即座に使い始める
- 便器に 養生袋 を被せる
- 凝固剤+専用袋で 臭い対策
- 詳しい運用は携帯トイレ記事で詳述(後述・商品②)
「うっかり流して階下に漏水」の事例
- 上階から 「流した」連絡なし で下階浸水
- 損害賠償リスクもあるとされる
- マンション居住者の 連帯責任意識 を持つ
- 管理組合の アナウンス徹底 が望ましい
在宅避難中の「トイレ問題」が最重要
- 食料・水よりも トイレ問題 が深刻
- 1人1日5回×7日 = 35回分 の簡易トイレ
- 家族人数 × 必要回数を備蓄
- ローリングストックで 使いながら備える
管理組合との連携
- 管理組合の 「使用可否」連絡網 を平時確認
- 防災ラジオ・館内放送・LINE等の 複数経路
- 自分1人で 「使ってもいい」判断はしない
- 全戸が 連携 で動くのが現実的
エレベーター閉じ込め初動3行動
マンション中低層階居住者にとって エレベーター閉じ込め は身近なリスクと考えられます。停電・地震・故障で閉じ込められた場合の 初動3行動 を平時に覚えておくのが望ましいです。
エレベーター閉じ込め時の初動3行動
| 順序 | 行動 | 理由 |
|---|---|---|
| ① 全階ボタン押下 | 行き先階ボタンをすべて押す | 停電時自動着床装置で最寄り階へ移動 |
| ② インターホン押下 | 管理室・エレベーター会社へ連絡 | 外部との接触・救助要請 |
| ③ 落ち着いて待つ | 楽な姿勢で体力温存 | 気密構造ではないため窒息の心配なし |
「停電時自動着床装置」とは
- 多くのエレベーターに 標準搭載
- 停電を検知すると バッテリーで最寄り階へ移動 ・扉が開く
- 全階ボタンを押すと 作動しやすい
- 古いエレベーターは 未搭載 の可能性あり
「インターホンが繋がらない」場合
- スマホで 管理会社へ電話
- 管理組合の 緊急連絡先 を平時に確認
- 笛・ホイッスルで 音を出す
- 救助到達まで 30分〜数時間 かかる場合あり
閉じ込められた時の心構え
- パニックにならない
- 携帯電話で 状況を家族に連絡
- 体温維持に ジャケット・ブランケット
- 飲料水を持っていれば 少量ずつ
「エレベーター用品セット」を通勤バッグに
- 小型懐中電灯(停電時の照明)
- 飲料水500mL
- 防寒ブランケット(アルミ)
- 笛・ホイッスル
- スマホ充電器・モバイルバッテリー
- 商品③で詳述
平時のエレベーター点検
- 管理組合の 定期点検記録 を確認
- 緊急用バッテリー の有無
- 停電時自動着床装置の 稼働確認
- 避難経路(階段) の場所確認
「階段移動」のリハーサル
- 3〜10階の 階段昇降 を平時に経験
- 家族で 「災害時は階段」 をルール化
- 高齢者・子ども連れの タイミング
- エレベーター故障時の 物資搬入 も想定
共用部と専有部の役割分担
マンション防災は 「共用部」と「専有部」の役割分担 が明確化されることが多く、管理組合と居住者の連携が望ましいとされます。
共用部と専有部の対応表
| 区分 | 内容 | 担い手 |
|---|---|---|
| 共用部 | 防災備蓄倉庫・発電機・避難経路・エレベーター | 管理組合 |
| 専有部 | 家具固定・備蓄・家族の防災 | 各居住者 |
共用部の備蓄品(管理組合)
- 簡易トイレ(住戸数×35回分)
- 発電機(共用部照明・エレベーター予備)
- 救護用品(応急処置)
- 工具類(救出・修理)
- 拡声器・トランシーバー
専有部の備蓄品(居住者)
- 水・食料 7日分
- 簡易トイレ 1人35回分
- 家具固定具(突っ張り棒・L字金具)
- 持病薬 1週間分
- モバイルバッテリー
管理組合との防災連携
- 年1回の防災訓練 に参加
- 共用部備蓄品リスト を確認
- 連絡網(LINE・館内放送)に登録
- 管理組合の防災計画 を入手
「自助・共助・公助」の三層
| 層 | 担い手 | 内容 |
|---|---|---|
| 自助 | 居住者 | 専有部の備え・家族の防災 |
| 共助 | 管理組合・近隣 | 共用部備蓄・声かけ |
| 公助 | 自治体・国 | 避難所・救援物資 |
3層が 連動して機能 するのが望ましい。
詳しい東京都防災ホームページ
東京都防災ホームページでは、マンション防災 の具体的な進め方が紹介されています。詳しくは 東京都防災ホームページ「マンション防災」 で確認できます。
「マンション防災計画」がない場合
- 管理組合に 作成提案
- 理事会・総会で 議題化
- 自治体の マンション防災支援制度 を活用
- 専門家(マンション管理士)の 相談窓口 も
賃貸と分譲の違い
- 分譲:管理組合に参画/総会で発言可
- 賃貸:管理組合に直接参画できない/管理会社経由で要望
- 賃貸でも 共用部備蓄 は活用可
- 居住者として 共助の義務 は同じ
商品① 突っ張り棒|賃貸・分譲どちらでも使える家具固定
突っ張り棒は 賃貸・分譲どちらでも使える 家具固定の基本グッズです。壁を傷つけずに設置でき原状回復義務の心配がありません。

突っ張り棒1本で家具固定って大丈夫?

1家具に2本ペアで設置するのが望ましいとされていますよ。家具下の耐震プレートと併用すると効果が上がるそうです。突っ張り棒は時間とともに緩むので半年に1回と地震の後に点検するのが良いですね。
突っ張り棒の選び方4軸
| 軸 | 確認ポイント |
|---|---|
| 対応高さ | 家具上面から天井までの距離に合う |
| 耐荷重 | 1本あたり50〜100kg |
| 設置数 | 1家具に 2本ペア が望ましい |
| 天井素材 | コンクリート天井対応モデル |
「2本ペア」の設置場所
- 家具の 奥の左右 に1本ずつ
- 家具の 手前と奥 ではなく 左右並行 が原則
- 家具の 転倒方向 に対して垂直に
- 高さ調整は 両方同じ に
耐震プレート(家具下)との併用
- 突っ張り棒だけより 2倍の耐震性
- 家具を 手前に5度傾ける ことで壁側に倒れる設計
- 開封後は すぐ装着
- ホームセンター・100円ショップでも入手可
半年点検の重要性
- 突っ張り棒は 時間とともに緩む
- 半年に1回 の緩みチェック
- 地震後 は必ず点検
- 家具を 少し揺らして 動かないか確認
設置時の注意点
- 天井に下地(コンクリート・木) があるか確認
- 化粧ボード・薄いベニヤは 耐荷重不足
- 天井に 荷重が分散 する補助プレート併用
- 設置位置の 跡が残る 可能性あり(賃貸はマスキングテープで保護)
家具別の固定例
| 家具 | 突っ張り棒 | 補助具 |
|---|---|---|
| 本棚(180cm) | 2本ペア | 耐震プレート+ストッパー |
| タンス(120cm) | 2本ペア | L字金具(賃貸不可) |
| 食器棚 | 2本ペア+扉ロック | 中身も粘着マットで固定 |
| 冷蔵庫 | 固定ベルト | 専用ストラップ |
商品② 簡易トイレ|排水管リスクへの備え
先ほど解説した 排水管リスク への備えとして簡易トイレは必須と考えます。マンション中低層階居住者には特に重要度が高いとされます。
マンション中低層階の簡易トイレ備蓄目安
| 家族人数 | 7日分(1人1日5回) | 14日分(管理組合判断遅延想定) |
|---|---|---|
| 1人 | 35回 | 70回 |
| 2人 | 70回 | 140回 |
| 3人 | 105回 | 210回 |
| 4人 | 140回 | 280回 |
簡易トイレセットの選び方3軸
| 軸 | 確認ポイント |
|---|---|
| 回数 | 50回分以上が望ましい |
| 凝固剤性能 | 1包あたり500mL吸水/60秒固化 |
| 防臭性 | 活性炭配合・抗菌処理 |
マンション特有の運用
- 便器に直接被せる袋型 が現実的
- 凝固剤+専用袋で 臭い対策
- BOS素材防臭袋で 二重包装
- 廃棄まで 自宅保管 が前提
「使用済み袋」の保管場所
- ベランダ・玄関外 は管理規約で禁止の場合あり
- 専有部の外気が当たる場所 が望ましい
- 風呂場・洗濯機置き場の 使い分け
- 共用廊下は 絶対NG(管理規約違反)
共用部備蓄品との連携
- 管理組合の 共用部簡易トイレ が使える場合
- 個人備蓄+共用備蓄の 2層運用
- ただし 共用品は数量限定 で頼り切らない
- 個人備蓄が 第一防衛線
簡易トイレの具体的な使い方や使用後の処分の手順は、こちらの記事で詳しく解説しています。

マンション中低層階の「トイレ問題」が最重要課題
- 食料・水よりも 緊急性が高い
- 排水管復旧まで 数日〜数週間
- 在宅避難の 継続可否を左右
- 家族・近隣に 迷惑をかけない ため
商品③ エレベーター用品セット|通勤バッグに常備
エレベーター用品セットは 閉じ込め時の数時間を凌ぐ ための小型備品セットです。通勤バッグに常備しておくのが本来は望ましいです。
エレベーター用品セットの中身
| 品目 | 用途 |
|---|---|
| 小型懐中電灯 | 停電時の照明 |
| 飲料水(500mL) | 水分補給・体温維持 |
| アルミブランケット | 防寒・体温維持 |
| 笛・ホイッスル | インターホン故障時の救助要請 |
| モバイルバッテリー | スマホ連絡継続 |
| 栄養補給ジェル | 長時間閉じ込め対応 |
セットの選び方3軸
| 軸 | 確認ポイント |
|---|---|
| 携帯性 | 通勤バッグに入るコンパクトサイズ |
| 耐久性 | 防水・耐衝撃 |
| 電池寿命 | 懐中電灯・モバイルバッテリーの保持期間 |
「通勤バッグに常備」の発想
- 自宅備蓄だけでは 外出時に役立たない
- 通勤・通学バッグに 小型ポーチ で常備
- 災害時の 帰宅困難対応 にも転用可
- 1セット重量 200〜300g に収める
自宅用「エレベーター待機セット」
- 玄関に 大きめのセット(家族分)
- 共用廊下に出る前の 準備時間 に持ち出す
- 子ども・高齢者用に 個別パッケージ
「ペアでバッグ常備」のすすめ
- 通勤バッグ+自宅玄関の 2か所 に同じセット
- 旅行用バッグにも 小型版
- 災害は 「いつ」「どこで」 起きるか分からない
スマホ充電器の重要性
- 閉じ込め中の 家族連絡 に必須
- インターホン故障時の 管理会社連絡
- 救助の 位置情報共有
- バッテリー残量を 平時50%以上 維持
「エレベーター利用時のルール」
- 1人で乗る時は 家族に行き先を伝える
- 子ども・高齢者は 大人と一緒に
- 大きな地震を感じたら 全階ボタン押下
- 異常を感じたら 次階で降りる
商品④ 家具固定L字金具|分譲向け本格対策
L字金具は 分譲マンション向けの本格的な家具固定 とされます。壁に ネジで穴を空ける ため、賃貸の方は突っ張り棒+粘着耐震マットなど壁を傷つけない方法が望ましいとされます。

L字金具って賃貸でも使える?

ネジで壁に穴を空けるタイプは原状回復が必要になるので賃貸では避けた方が良いかもしれません。賃貸の方は突っ張り棒+粘着耐震マットの組み合わせが現実的です。分譲の方は壁の下地を確認してL字金具で本格対策ができますね。
L字金具の選び方3軸
| 軸 | 確認ポイント |
|---|---|
| 耐荷重 | 1個あたり100kg級が望ましい |
| 設置方式 | ネジ留め(下地必須)/粘着(小型家具向け) |
| 材質 | 鉄製・ステンレス製・防錆塗装 |
設置前の「壁の下地確認」
- マンションの壁は 石膏ボード+断熱材
- ネジを打つ位置に 柱・桟(下地) が必要
- 下地センサー で位置確認
- 下地のない位置に打つと ネジが効かない
下地センサーの使い方
- 壁を 横にスライド させて下地反応を確認
- 柱は 約45cm間隔 で配置されることが多い
- 反応位置を マスキングテープ で印付け
- 縦の 複数高さ で確認
L字金具の設置手順
- 家具を設置位置に置く
- 下地センサー で壁の下地位置を確認
- L字金具を 家具上部と壁 に当てる
- ネジ穴位置を 下地に合わせる
- 電動ドライバーで 下穴を空ける
- L字金具をネジ留め
- 家具を 少し揺らして 固定確認
賃貸・分譲の使い分け
| 物件種別 | 推奨方法 |
|---|---|
| 分譲 | L字金具+下地確認 |
| 賃貸(持ち家でない) | 突っ張り棒+粘着耐震マット(壁を傷つけない方法) |
| UR賃貸 | 模様替え申請で許可なら可 |
| 新築賃貸 | 管理会社に 事前相談 |
賃貸住宅の家具固定や原状回復のルールは、関連記事もあわせてご参考ください。

「家具を買う時から」の発想
- 家具購入時に 「壁固定可能」 モデルを選ぶ
- L字金具同梱の家具も増えている
- 無印良品・IKEA の家具は固定具同梱が多い
- 引っ越し時の 家具買い替え も検討
「絶対安全」はない発想
- L字金具を付けても 想定外の力 で壊れることはある
- 突っ張り棒との 併用 で冗長化
- 家具配置を 「ベッド・布団の上に倒れない」 配置に
- 寝室には 大型家具を置かない 発想も
まとめ
マンション中低層階の防災を整理しました。
- 5つの特性:倒壊リスク低・在宅避難前提・エレベーター停止・共用部制約・排水管リスク
- 排水管「トイレ流すな」ルール:管理組合の「使用可否」アナウンスを待つ/簡易トイレで対応
- エレベーター閉じ込め初動3行動:全階ボタン押下・インターホン・落ち着いて待つ
- 共用部と専有部の役割分担:管理組合(共用備蓄)×居住者(専有部備え)
- 商品4点:突っ張り棒(賃貸OK・2本ペア)/簡易トイレ(35回×7日)/エレベーター用品セット(通勤バッグ常備)/L字金具(分譲向け・下地確認)
マンション中低層階の防災は 「自助・共助・公助」の三層で連動 するのが望ましく、管理組合・ご家族と一緒に中低層階マンションの防災を整えてみてはいかがでしょうか。
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