「モバイルバッテリーから出火」「電子タバコのバッテリーが破裂」―こんなニュース、最近よく目にしませんか?リチウム電池の事故件数は近年増加傾向にあるとされています。
この記事では、選び方・使い方・廃棄の3軸 で家庭でできる発火対策を整理します。NITE・JBRCの公的資料に基づき、PSEマークの選び方・発火を招く7つのNG・廃棄の3パターン・装備3点までまとめました。
なぜリチウム電池は発火するのか(NITE事故データ)
リチウム電池(リチウムイオン電池)はエネルギー密度が高く繰り返し充電できる便利な電源です。一方で 発火・破裂のリスク もゼロではないとされています。
発火の主なメカニズム
- 過充電・過放電:保護回路が劣化すると暴走
- 強い衝撃・変形:内部の電極が短絡(ショート)
- 高温環境:60℃を超えると劣化が加速
- 粗悪品・偽造品:保護回路が省かれているケース
- 水濡れ・湿気:内部回路の腐食
NITE事故統計
製品評価技術基盤機構(NITE)の事故統計では、モバイルバッテリー・電子タバコ・電動アシスト自転車 などのリチウム電池関連事故が 毎年100件以上 報告されているとされています。詳しくは NITE「製品安全」 で確認できます。

リチウム電池って普通に使ってても発火するの?

通常使用なら安全だけど衝撃・高温・過充電・粗悪品などが引き金になりやすいんです。NITEの統計でも事故は増えているとされていますよ。
早期発見の備えも大切
万が一の発火に備え火災警報器の動作確認 も大切です。10年で交換時期が来るので自宅の警報器の点検と組み合わせて考えるとよいでしょう。
【選び方】PSEマーク・容量・メーカーで安全な1台
モバイルバッテリーは 「PSEマーク・容量・メーカー」の3条件 で選ぶのが望ましいとされています。
選び方の3条件
| 項目 | 選び方の目安 |
|---|---|
| PSEマーク | 表示必須(電気用品安全法・2019年2月〜マーク無し販売禁止) |
| 容量 | 5,000〜10,000mAh(日常携帯)/20,000mAh以上(据置き寄り) |
| メーカー | Anker・パナソニック・エレコム・サンワサプライなどの定番 |
PSEマークの確認方法
2018年2月にモバイルバッテリーが 電気用品安全法(PSE法)の規制対象 に加わり2019年2月からはPSEマークのない製品の販売が禁止されています。
- PSEマーク:◇(菱形)の中に PSE の文字
- 本体・パッケージのどちらかに表示
- 製造業者または輸入事業者名も併記
容量の目安
- 5,000mAh前後:スマホ1〜2回フル充電/軽量
- 10,000mAh前後:スマホ2〜3回フル充電/日常携帯のベスト
- 20,000mAh以上:スマホ5回以上/重量・サイズが大きい
- 30,000mAh以上:据置き寄り/航空機内持ち込み制限あり
信頼できるメーカーの目安
- Anker(PSE取得・サポート充実)
- パナソニック(国内大手・品質安定)
- エレコム/サンワサプライ(PCアクセサリー大手)
- オウルテック(防災向け製品も展開)
避けたい製品の特徴
- PSEマークがない/不明
- 極端に安価(相場の半額以下)
- メーカー名・連絡先が不明
- レビューに「膨らんだ」「熱くなった」が多い
- 海外通販のノーブランド品
過充電・短絡保護回路
安全な製品は 過充電防止・過放電防止・短絡保護・温度保護 の4つの保護回路を搭載しているとされています。製品仕様欄で確認できます。
【使い方】発火を招く7つのNGと安全習慣
正しい使い方をすればリチウム電池は安全な電源です。一方で 避けたい使い方 が7つあるとされています。
発火を招く7つのNG
NG① 充電しながら布団・枕元に放置
- 充電中の発熱が 布団にこもる
- 万が一発火した際に 延焼しやすい
- 固い机の上・金属トレーの上 で充電する習慣を

充電しっぱなしで寝ても大丈夫でしょ?

布団の上での充電や枕元での放置は発火したときに延焼しやすいんです。固い机の上で充電する習慣がおすすめですよ。
NG② 高温(夏の車内・直射日光・暖房前)で使用
- 60℃を超えると 内部劣化が加速
- 夏の車内は 70℃超 になることも
- 暖房の真ん前・直射日光下を避ける
NG③ モバイルバッテリーで別のモバイルバッテリーを充電
- 過充電 → 発熱 → 発火の流れ
- 製品の用途外 とされる
- どうしても必要なら専用充電器を使う
NG④ 強い衝撃を与える(落下・踏みつけ)
- 内部の電極が 短絡(ショート)
- 一見無傷でも内部破損の可能性
- 落下した製品は使用を中止 が望ましい
NG⑤ 膨張・変形した状態で使い続ける
- 内部のガス発生で 膨らむ
- 膨らんだ製品は 発火の前兆
- 速やかに使用中止・JBRC回収へ
NG⑥ 水濡れ・湿気の多い場所での使用
- 内部回路の腐食 → ショート
- 水没した製品は 乾燥後も使用中止
- お風呂・キッチン・雨天時の屋外注意
NG⑦ 古い・断線したケーブルでの充電
- 異常電圧が流れる可能性
- PSE付きの純正・認証ケーブル が望ましい
- 100均ケーブルは寿命を確認
安全習慣のまとめ
- 充電は外出時・在宅時の見える場所
- 満充電になったら抜く(過充電防止)
- 季節と環境(夏の車内NG)
- 定期的な目視点検(膨張・変色チェック)
集合住宅・タワマン高層階では延焼リスクが特に高いとされます。家庭内の防災対策と合わせて検討するのが望ましいとされます。
【廃棄】JBRC回収・自治体ルール・店頭回収
古いモバイルバッテリーを 家庭ごみに捨てる のは厳禁とされています。収集車内での圧縮で発火する事例があり近年は ごみ収集車火災 の大きな原因にもなっているとされます。
廃棄の3パターン
| パターン | 場所 | 対象 |
|---|---|---|
| ① JBRC回収 | 家電量販店・ホームセンター内の回収BOX | リサイクルマーク付製品 |
| ② 自治体回収 | 市区町村の小型家電回収ボックス/拠点回収 | 自治体ルールによる |
| ③ 店頭回収 | メーカー直営店・購入店 | 特定メーカー品・大型製品 |

壊れたモバイルバッテリーは燃えるゴミに出したらダメなのかな?

家庭ごみに混ぜると収集車やごみ処理場での火災原因になるんです。JBRCの回収BOXや家電量販店の窓口を使うのが望ましいとされていますよ。
① JBRC回収(最も簡単)
一般社団法人JBRCが回収する リサイクル制度 です。詳しくは JBRC「使用済小型充電式電池の回収」 で確認できます。
- 家電量販店・ホームセンターに 回収BOX が設置
- リサイクルマーク(3つの矢印+電池)が付いた製品が対象
- 端子部分を 絶縁テープ で覆ってから投入
② 自治体回収
自治体ごとの 小型家電回収 ルールに従います。
- 小型家電回収ボックス(市役所・公民館・スーパー等)
- 拠点回収日:月1回など
- 燃えないごみ で出せる自治体もある(要確認)
- 「電池を抜く」「絶縁する」 などの注意事項
③ 店頭回収
メーカーや家電量販店の 独自回収 プログラムです。
- 大型のポータブル電源 は引き取りが必要なケースも
- Anker など一部メーカー は購入店での回収可能
- 不要品引き取りサービス を活用する選択肢も
廃棄前の確認事項
- 電池を抜く(外せるタイプのみ)
- 端子を絶縁テープで覆う(ショート防止)
- 膨張している製品 はそっと運ぶ・落とさない
- 自治体・店舗のルール を事前確認
備蓄品の保管・劣化対策と合わせて計画的な点検・廃棄を心がけたいですね。詳細は関連記事もあわせてご参考ください。

ポータブル電源の安全な選び方・使い方
ポータブル電源(大容量バッテリー) はモバイルバッテリーより容量が大きく災害備蓄として人気が高まっているとされます。安全な選び方・使い方を整理します。
モバイルバッテリーとの違い
| 項目 | モバイルバッテリー | ポータブル電源 |
|---|---|---|
| 容量 | 5,000〜30,000mAh | 100,000mAh〜(300〜2,000Wh) |
| 重さ | 100〜500g | 3〜20kg |
| 出力 | USBのみ | AC・USB・シガーソケット |
| 用途 | スマホ充電 | 家電・調理器具・電動工具 |
| 持ち運び | 携帯可 | 据置き寄り |
安全な選び方の3条件
- PSEマーク(電気用品安全法)
- リン酸鉄リチウム(LFP)電池 が安全性で評価が高いとされる
- 保護回路完備(過充電・短絡・温度・過放電)
- 大手メーカー(Jackery・EcoFlow・Anker・BLUETTI等)
使い方の安全習慣
- 直射日光・高温下に置かない(夏の車内NG)
- 満充電で長期保管しない(50〜80%が望ましい)
- 3〜6か月に1回は充放電 して劣化を防ぐ
- 室内設置(屋外は防水仕様のみ)
- 配線・コードの過熱に注意
防災ラジオとの組み合わせ
ポータブル電源があれば、停電時に ラジオ・スマホ・LEDライト・ファン など複数機器を長時間使えます。情報収集の中核装備として頼りになります。詳しくは関連記事もあわせてご参考ください。

火災・発火対策に揃えたい装備3点
リチウム電池の 発火対策に役立つ装備3点 をご紹介します。安全な製品を選んでもしものときの延焼対策も組み合わせるのが望ましいとされます。
① PSEマーク付モバイルバッテリー
PSEマーク付き・大手メーカー製・容量10,000mAh前後 の定番モデルです。日常携帯のベストバランスとされます。
- PSEマーク取得済み(電気用品安全法準拠)
- 容量10,000mAh前後(スマホ2〜3回充電)
- 過充電・短絡・温度保護 の保護回路完備
- PD対応・USB-C出力 で急速充電
② 防災ポータブル電源
大容量・据置き型 で家電も使えるポータブル電源です。停電時の電源確保に加えリチウム電池モバイルバッテリーよりも 安全性が高い モデルも増えています。
- 容量500Wh〜1000Wh(家電数時間〜数日)
- リン酸鉄リチウム(LFP)電池 の安全モデルが望ましい
- AC・USB・シガーソケット 多出力
- ソーラーパネル併用 で日中充電
防災ポータブル電源の選び方は関連記事もあわせてご参考ください。

③ 防火ポーチ/難燃ケース
万が一の 発火時に延焼を防ぐ ためのケースです。LiPoバッテリー用として市販されており、自宅での保管・充電時に活用できます。
- 難燃ファイバー素材(耐熱温度1,000℃前後)
- モバイルバッテリー・小型ドローンバッテリー 用
- 持ち運び・保管 両用
- 複数サイズ展開 で用途別に選べる
まとめ
リチウム電池発火対策の要点を整理しました。
- 発火メカニズム:過充電・衝撃・高温・粗悪品・水濡れ
- NITE統計:年間100件以上の事故が報告されているとされる
- 選び方3条件:PSEマーク・容量・大手メーカー
- 使い方7つのNG:枕元充電/高温/モバ→モバ充電/衝撃/膨張使用/水濡れ/古ケーブル
- 廃棄3パターン:JBRC回収/自治体回収/店頭回収(家庭ごみNG)
- ポータブル電源:リン酸鉄リチウム(LFP)の安全モデルが望ましい
- 装備3点:PSEモバイルバッテリー+ポータブル電源+防火ポーチ
「正しく選んで・正しく使って・正しく捨てる」が リチウム電池と長く安全に付き合うコツ とされます。ご家族で確認してみてはいかがでしょうか。


