お子さんがいるご家庭の防災について年齢に合わせた備えはできていますか?
大人だけの世帯の備えにおむつや粉ミルクをちょっと追加すればよいと思いがちですが、実は子どもの防災は年齢ごとに必要なものが大きく変わります。0歳のお子さんと小学生では揃えるものも避難時の動きも別物です。
この記事では年齢を問わず備えておきたい共通の5カテゴリと、0歳〜小学生までの年齢別の追加配慮、避難所での過ごし方、子どもとの防災コミュニケーションまでまとめてご紹介します。「うちの子も一緒に守れる」備えをできるところから整えていきましょう。
なぜ子ども向けの防災が大切なのか
子どもは大人と同じ備えでは足りません。おむつ・ミルク・着替えは消費が早く、災害時にすぐ不足してしまいます。月齢や年齢で必要な物が変わるため、こまめな見直しも大切です。
大雨や台風で起こる災害は浸水・暴風・停電・断水と幅広く、赤ちゃんや小さなお子さんを連れての避難はいっそう難しくなります。物流が止まればふだんの店頭ですぐ買えるおむつや離乳食も手に入りにくくなります。だからこそ平時のうちに子ども向けの備えを整えておくことが大切です。
政府広報オンラインも早めに防災対策・避難行動をとるよう呼びかけており、こども家庭庁や厚生労働省も乳幼児や子ども向けの防災を呼びかけています。親の備えはそのまま子どもの安全に直結します。この視点で、家族の備えを見直してみてください。
共通の備え 5カテゴリ
ここからは年齢を問わず備えておきたい5つのカテゴリを商品例も交えてご紹介します。「大人用の備蓄+子ども用」とセットで考えると漏れなくそろえやすくなります。
① おむつ・着替え
子どもの体に直接触れるものは普段使い慣れているメーカーを多めに備蓄するのが基本です。サイズの成長も意識しておきましょう。
普段使いのものをローリングストックで多めに備えておき、サイズアップを見越して次のサイズの予備も少し用意します。着替えは下着・靴下を含めて2〜3日分です。ガーゼやタオル、汚れ物を入れるビニール袋も忘れずに入れておきましょう。
② ミルク・離乳食・食料
食事はお子さんのストレスにも直結します。普段食べ慣れたものをローリングストックでそろえるのが基本です。
普段の食事は1〜2週間分を余分に常備しておきます。ミルクは、お湯がいらない液体ミルクが災害時に強く、粉ミルクのキューブタイプも計量不要で扱いやすいです。哺乳瓶は割れにくい素材のものを選ぶほか、使い捨て哺乳瓶という選択肢もあります。離乳食は常温で食べられるパウチタイプが便利です。子どもが好きなお菓子も、ストレスを和らげるのに役立ちます。
③ 簡易トイレ(子ども用)
避難所や車中泊では子ども用のトイレ対策が見落とされがちです。サイズや使い慣れたものを意識しておきましょう。
子ども用補助便座に対応したサイズの便袋を備え、携帯トイレも小さなサイズのものを用意しておきます。おむつを卒業する段階のお子さんは避難中に逆戻りすることもあるため、おむつも併用しておくと安心です。処理袋や防臭袋は多めに用意しましょう。
④ 健康・医療
避難所では子どもの体調管理が一段と大切になります。書類関係はコピーをまとめ、持ち出しやすい場所に置いておきましょう。
| 備えるもの | 用途・ポイント |
|---|---|
| 母子手帳のコピー | 避難所での医療対応や予防接種記録の確認に |
| 常備薬 | 解熱剤・整腸剤など子どもサイズのもの |
| 体温計 | 避難所では特に体調管理が大切 |
| 絆創膏・ガーゼ・消毒 | 子ども用の救急セットとして |
| 解熱貼布 | 発熱時に役立つ |
| ウェットティッシュ | 手や顔の拭き取り用に多めに |
⑤ 安心グッズ
子どもにとって避難先での「いつもと違う環境」は大きなストレスになります。気持ちを支えるグッズも忘れずに用意しましょう。
お気に入りのおもちゃや絵本は避難先での気持ちの安定に、小型ライトやヘッドライトは暗い場所での恐怖を和らげるのに役立ちます。抱っこひもは避難時の移動にも避難所での寝かしつけにも使えます。防災ポーチに入る小型サイズが理想で、「お守り」のような存在を1つ用意しておくとよいでしょう。
年齢別の追加配慮
お子さんの年齢によって追加で備えたいことが変わります。ご自身のお子さんに合わせて読み進めてみてください。
0歳乳児
哺乳瓶と粉ミルク・液体ミルクは2週間分を目安に備えます。おむつはサイズアップを見越して予備を用意し、着替えやガーゼタオルも多めにしておきましょう。抱っこひもは避難時の移動と寝かしつけの両方に使えます。
急な発熱に備えて、子ども用の解熱剤と体温計を常備しておきます。乾燥対策には、乳児用の保湿クリームやワセリンもあると役立ちます。
1-3歳幼児
離乳食から幼児食までのレトルト・パウチタイプを備蓄し、食べ慣れたお菓子(ボーロ・せんべい等)でストレスを和らげます。おむつ卒業期は、おむつと携帯トイレの両方を用意しておきましょう。お気に入りのおもちゃや絵本も気持ちの安定に役立ちます。
走り回りたい年頃なので、避難所では周囲への配慮も意識しておきたいところです。ベビーカーは段差や悪路で使えないことが多いので、抱っこひもも併用しましょう。
4-6歳未就学
食事は大人とほぼ同じもので大丈夫です。笛・名札・小さな水を入れた自分の防災ポーチを持たせる練習も始めてみましょう。「避難するときはどうするか」を絵やイラストで一緒に確認し、ひとりでもトイレや着替えができるかを避難所を想定して確かめておきます。
通園時の被災に備えて、保育園・幼稚園との連絡ルールも把握しておきましょう。不安を感じやすい年頃なので、抱きしめる時間も意識的にとりたいところです。
小学生
食事やトイレは大人と同じ準備で大丈夫です。通学中の被災に備えて、ランドセルに防災ポーチ・笛・名札・家族の連絡先を入れておきましょう。学校の引き渡しルールや避難所も家族で確認しておきます。
お子さん自身が自分で動けるよう、待ち合わせ場所や連絡手段も決めておきましょう。高学年は妹弟を守る役割も意識し始める年齢なので、家族での役割分担を相談してみてください。スマホやキッズケータイを持っている場合は、災害用伝言ダイヤル(171)の使い方も練習しておくと安心です。
自転車やキックボードで移動する年齢になったら、頭を守る装備も備えの一部になります。サイズの選び方と着用のルールはこちらで解説しています。

避難・避難所での過ごし方
避難するときにも避難先で過ごす時間にも、子ども特有の注意点があります。3つの場面別に整理しました。
移動手段の判断
抱っこひもは両手が空き、避難先での寝かしつけにも使えます。ベビーカーは浸水時や段差・悪路では使えなくなることが多いため、屋内移動用と割り切っておきましょう。急な避難では抱っこひもが現実的な選択になりやすいです。兄弟がいる場合は、上の子の手をつなぐ前提で動線を考えておきます。
避難所での子どもへの配慮
夜泣きや走り回りなど、周囲への騒音には配慮が必要です。寒暖差対策としてブランケットや着替えを用意し、プライバシーが確保しにくい環境ではテントや仕切りグッズも役立ちます。子どもがリラックスできる「自分の場所」を作り、手洗いや歯みがきなど衛生面の習慣も避難先で保ちましょう。
粉ミルクの調乳
お湯が確保できない場合は、液体ミルクか湯冷ましで考えます。70℃以上のお湯が望ましいものの、状況に応じて液体ミルクで代替しましょう。哺乳瓶は使い捨てタイプだと衛生面で安心で、消毒シートやゴム手袋などの衛生用品も用意しておきます。
子どもとの防災コミュニケーション
備えるモノだけでなく、子どもと話す時間も防災の一部です。年齢に応じて楽しく前向きに伝えていきましょう。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 年齢に応じた防災教育 | 絵本・アニメ・防災カルタなどで楽しく学ぶ |
| 家族の避難訓練 | 年に1度は実際に避難所まで歩いてみる |
| 集合場所と連絡ルール | はぐれたときの待ち合わせ場所を子どもにも分かりやすく |
| 「逃げる」の合言葉 | 地震・大雨で家族でどう動くかを子どもと一緒に決める |
| 怖がらせすぎない | 子どもの不安を煽らず「備えがあるから大丈夫」と伝える |
| 災害用伝言ダイヤル(171) | 小学生以上なら使い方を一緒に練習しておく |
備蓄や持ち出し袋の中身、防災「一人暮らし」の備えも参考になります。







まとめ
赤ちゃん・子どもがいるご家庭の防災について、共通の備えと年齢別の追加配慮をご紹介しました。最後に要点を振り返ります。
- 共通の備えは5カテゴリ:おむつ・着替え/ミルク・離乳食・食料/簡易トイレ/健康・医療/安心グッズ
- 年齢別の追加配慮:0歳乳児・1-3歳幼児・4-6歳未就学・小学生で備える内容が変わる
- 避難所での過ごし方:移動手段の判断・周囲への配慮・調乳の工夫
- 子どもとの防災コミュニケーション:年齢に応じた防災教育と家族の避難訓練
- 「備えがあれば守れる」を家族で共有する
家族の一員であるお子さんも一緒に守れるよう できるところから備えてみてはいかがでしょうか。


