停電の備えに発電機を用意しようと考えたとき「家庭に本当に必要なのか」と迷ったことはありませんか?
災害による停電は、夏の熱中症や冬の寒さ、情報の遮断など暮らしに大きな影響を与えます。その備えとして発電機は心強い一方でポータブル電源という選択肢もあり、どちらを選べばよいか分かりにくいものです。さらに発電機には使い方を誤ると命に関わる注意点もあります。
この記事では、家庭の防災に発電機が必要かを用途から考え、ポータブル電源との違い、選び方の軸、そして屋内使用による一酸化炭素中毒を防ぐ安全な使い方まで消費者庁の情報をもとに解説します。
家庭の防災に発電機は必要?
まず考えたいのは「自分の家にとって発電機が必要かどうか」です。これは停電中に何をしたいか(用途)によって変わります。
- スマホの充電や照明、ノートパソコン程度ならば後述するポータブル電源で十分まかなえることが多いです。
- 冷蔵庫を動かし続けたい、夏のエアコンや冬の暖房を使いたい、電動の医療機器を使う家族がいるという大きな電力を長時間使いたい場合は発電機が選択肢になってきます。
ただし、発電機は運転中に排ガスと音を出すため屋外で使えるスペースがある戸建て向きです。マンションのベランダや室内では一酸化炭素中毒の危険があり使えません。集合住宅にお住まいなら基本はポータブル電源を中心に考えるのが現実的です。
「とりあえず安心だから」と大型の発電機を買っても使う場所や燃料の保管に困ることがあります。まずは用途と住まいの形から必要性を見きわめましょう。
発電機が役立つのはこんなとき
発電機の強みが活きるのは次のような場面です。
- 台風や地震による長期停電:復旧まで数日かかるような停電では燃料を継ぎ足して使い続けられる発電機が頼りになります。
- 冷蔵庫・冷凍庫を動かし続けたい:食料の傷みを防ぎたいとき、大きな電力を長時間まかなえます。
- 夏の熱中症・冬の寒さ対策:扇風機や電気毛布など季節の冷暖房機器を使いたいとき。
- 戸建てで屋外スペースがある:安全に屋外で運転できる環境がある家庭。
逆に短時間スマホを充電できれば十分という方や集合住宅にお住まいの方には、発電機はオーバースペックになりがちです。自分が「停電中にどうしても動かしたいもの」を書き出してみると必要かどうかが見えてきます。
発電機とポータブル電源・蓄電池の違い
発電機とよく比較されるのが「ポータブル電源(蓄電池)」です。両者は似て非なるもので長所と短所がはっきり分かれます。
発電機は、ガソリンやガスなどの燃料を使ってその場で電気を作る機械です。燃料を足せば長時間・大きな電力を使えるのが強みですが、運転中は排ガスと騒音を出すため使えるのは屋外に限られます。
ポータブル電源は、あらかじめ充電しておいた電気をためて使う大容量のバッテリーです。燃料を燃やさないため排ガスが出ず、無音・無排気で、室内や避難所、車の中でも使えるのが大きな利点です(後述のとおり消費者庁は携帯発電機の屋内使用による一酸化炭素中毒に強く注意を促しています。その心配がない点は、ポータブル電源の安心なところです)。一方で貯められる電気の量には限りがあり使い切ると充電するまで使えません。ポータブル電源の容量は「Wh(ワットアワー)」で表され、たとえば500Wh級ならスマホを数十回充電できる一方で消費電力の大きい家電を長く動かすのは苦手です。用途に合った容量を選ぶことが大切です。
つまり手軽さ・安全性で選ぶならポータブル電源、長時間の大電力で選ぶなら発電機というのが基本の考え方です。最も良いのは両方を備えてふだんの停電はポータブル電源、長期停電は発電機と使い分ける家庭もあります。

結局のところ発電機とポータブル電源って、どっちを買えばいいのかな?

使い道で選ぶのがコツですよ。スマホ充電や照明くらいなら室内でも使えるポータブル電源が手軽です。冷蔵庫や冷暖房を長時間動かしたい戸建てなら発電機が向いています。迷った場合には、まず無音・無排気で使い道の広いポータブル電源から備えるのがおすすめです。
たとえば700Whクラスのポータブル電源ならスマホやノートパソコン、照明などをひととおりまかなうことができて防災の最初の一台として選びやすい容量です。
容量帯で迷う場合は容量別にモデルを揃えるメーカーから選ぶと比べやすくなります。こちらの BLUETTI の公式ストアも参考になります。
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家庭用発電機の種類と燃料
発電機を選ぶなら燃料の種類を知っておきましょう。家庭向けでよく使われるのは主に次のタイプです。
- ガソリン式:出力が大きく、パワーが必要な場面に向きます。一方でガソリンの保管には消防法上の制限があるので長期保管で劣化しやすい点に注意が必要です。
- カセットガス式:家庭用のカセットボンベを燃料に使うタイプです。ボンベが手に入りやすく、保管もしやすいため、家庭の防災用として人気があります。カセットコンロと燃料を共用できるのも便利です。出力はガソリン式に比べると控えめな傾向があります。
加えて電圧が安定して供給できる「インバーター式」かどうかも重要です。インバーター式ならパソコンやスマホなど電圧の乱れに弱い精密機器も比較的安心して使えます。
カセットガス式でインバーターを搭載した家庭の防災用に選ばれている代表的な機種がこちらです。燃料をカセットボンベでまかなえるため、ガソリンの保管に不安がある家庭でも扱いやすいのが特長です。
発電機の方式や種類のより詳しい違いはこちらの記事でまとめています。

選び方の4つの軸
家庭用の発電機を選ぶときは、次の4点を基準にすると自分に合ったものを選びやすくなります。
- 必要な出力(W):停電中に使いたい家電の消費電力を合計し、それを上回る出力の機種を選びます。冷蔵庫やエアコンなど動き始めに大きな電力が必要な家電もあるので余裕を見ておきます。
- 燃料の入手・保管のしやすさ:いざというとき燃料が手に入るか、ふだん安全に保管できるか。この点でカセットガス式は扱いやすい選択肢です。
- 音の大きさ:住宅地では騒音が問題になります。避難生活では近隣への配慮も必要なので静音性も確認しましょう。
- 重さ・持ち運びやすさ:保管場所から屋外へ運び出せる重さなのか、キャスターや持ち手があるかなど可搬性も使い勝手を左右します。
参考までに家電の消費電力の目安は、スマホの充電が5〜15W、LED照明が数〜10W程度、扇風機が30〜50W、冷蔵庫が100〜300W、電子レンジやドライヤーが1,000W前後、エアコンが数百〜1,000W超と様々です。同時に使いたいものの合計に立ち上がり時の余裕を加えた出力が目安になります。電子レンジやエアコンなど消費電力の大きい家電を使いたいならば相応に大きな出力の機種が必要です。
安全に使う:屋内使用は絶対に避ける
発電機でもっとも気をつけたいのが一酸化炭素(CO)中毒です。ここは命に直結するため必ず守るようにしましょう。
消費者庁は、携帯発電機を屋内で使用すると一酸化炭素中毒になるおそれがあると繰り返し注意を呼びかけています。さらに、屋外であっても自動車の中やテントの中で使用すると屋内と同等に危険であり、排ガスが逆流しないように出入口や窓などの開口部から離れた風通しのよい場所で使うよう示されています。実際に換気の悪い場所で発電機を使ってしまい一酸化炭素中毒で死亡・重症となった事故も起きています。
一酸化炭素は無色無臭で、気づかないうちに充満します。「少し窓を開けているから」「ガレージだから」といった油断が命取りになります。発電機は必ず屋外の風通しのよい場所で建物の開口部から離して使う——この原則を家族全員で共有しておきましょう。給油は必ずエンジンを止めて行います。

寒い日だと窓を少し開けておけば、部屋の中で発電機を使ってもいいよね?

それは絶対に避けてください。排ガスに含まれる一酸化炭素は無色無臭で少し窓を開けたくらいでは防げません。車の中やテントの中も同じく危険です。発電機は必ず屋外の風通しのよい場所で窓やドアから離して使ってくださいね。
使うときのその他の注意
一酸化炭素中毒のほかにも発電機を安全に使うために気をつけたい点があります。
- 感電を防ぐ:濡れた手で扱わない、雨や雪が直接かからない場所で使う、必要に応じてアース(接地)をとる。
- やけどに注意:運転中・運転直後のマフラーや本体は高温になります。給油は必ずエンジンを止めた上で冷えてから行います。
- 燃料の引火に注意:燃料の近くで火気を使わない。ガソリンの保管は法令と注意書きに従います。
- 近隣への配慮:避難生活では騒音がトラブルのもとになります。使う時間帯や場所に気を配りましょう。
買ったあとは取扱説明書をよく読み、定期的に点検・試運転をしていつでも安全に使える状態に保っておくことが大切です。
停電が復旧したあとの注意
発電機やポータブル電源は、停電が復旧したあとにも注意点があります。消費者庁は停電復旧後に機器を使う際は外観に異常がないかを確認し、異音や異臭がする場合は必ず使用を中止してメーカーに相談するよう促しています。
また停電からの復旧時には傷んだ電気機器や配線から出火する「通電火災」のリスクもあります。発電機に限らず避難などで家を離れるときはブレーカーを落としておくと安心です。
電源の備えは、発電機やポータブル電源だけでなく太陽光で充電できるソーラー充電器を組み合わせると燃料切れ・充電切れにも対応しやすくなります。

買ったら「試運転」と燃料の備え
発電機は、買って保管しておくだけではいざというとき使えないことがあります。ふだんから年に数回は試運転しておき正常動作や使い方を体が覚えているかを確かめておきましょう。取扱説明書に目を通し始動の手順や注意点を家族とも共有しておくと安心です。
燃料の備えも大切です。ガソリンは時間がたつと劣化しやすく保管量にも消防法上の制限があるため、扱いには注意が必要です。その点でカセットガス式はボンベを箱買いして備蓄しやすく、ローリングストックでふだん使いしながら更新できます。どのタイプでも燃料が切れれば発電機はただの箱になってしまいます。本体とあわせて燃料をどれだけ備えるかも計画しておきましょう。
カセットボンベはまとめ買いで備えておくと普段のカセットコンロと共用しながら無理なくローリングストックで更新できます。
まとめ
家庭の防災に発電機が必要かを用途から考え、ポータブル電源との違い、選び方の軸、安全な使い方までご紹介しました。
スマホ充電や照明が中心ならば無音・無排気で室内でも使えるポータブル電源が手軽です。
冷蔵庫や冷暖房など大電力を長時間使いたい戸建てならば発電機が選択肢になります。
発電機を選ぶときは、出力・燃料・騒音・重さの4点を基準に選定するのがおすすめです。何より、屋内・車内・テント内では絶対に使わない——一酸化炭素中毒を防ぐこの鉄則を忘れないでください。
自分の家の用途と住まいに合った電源の備えを停電が起きる前に整えておきましょう。


