非常持ち出し袋に必要なものチェックリスト【最低限揃えたい必需品と家族別の備え】
ご自宅に非常持ち出し袋の備えはありますか?
首相官邸や消防庁は、地震や台風など災害が頻発するなかで日頃からの備えを呼びかけており、避難時にすぐ持ち出せる備えを準備しておくことが望ましいとされています。
本記事ではこれから備える方に向けて、非常持ち出し袋に必要なものを7カテゴリのチェックリストで整理し、最低限揃えたい必需品と家族構成別の追加品まで分かりやすくご紹介します。
非常持ち出し袋とは(一次持ち出しの基本)
非常持ち出し袋とは、災害発生直後に避難する際、まず最初に持ち出す最小限の備えをまとめた袋を指します。これは「一次の備え」とも呼ばれ、避難の初動で命と安全を守るためのものです。
一方で、自宅での避難生活を支える水や食料の備蓄は「在宅備蓄(二次の備え)」として分けて考えると分かりやすいとされています。在宅備蓄は普段使いしながら買い足す「ローリングストック」で回す方法が推奨されており、別の備えとして揃えるのが望ましいとされています。本記事では避難の初動を支える一次持ち出しに絞ってご紹介します。
持ち出し袋の重さは、無理なく背負って避難できる範囲に抑えることが大切です。一般に成人男性で15kg、成人女性で10kg程度が目安とされています。重すぎるとがれきの上や階段で動きづらくなりかねません。
また避難時は両手が自由に使えることが安全につながるため、ショルダーバッグよりも背負えるリュック型が望ましいとされています。両手が空けば手すりをつかんだり、お子さんの手を引いたりと、とっさの行動が取りやすくなります。
必要なものの基本チェックリスト(カテゴリ別)
非常持ち出し袋に入れるものを、7つのカテゴリに分けて一覧にまとめました。まずはこの表をもとに、ご自宅にあるものから揃えてみてください。
| カテゴリ | 主な中身 |
|---|---|
| ① 情報・連絡 | 携帯ラジオ、モバイルバッテリー、充電ケーブル、家族の連絡先メモ、現金(小銭含む)、筆記用具、ホイッスル |
| ② 水・食料 | 飲料水(1人1日3Lが目安)、給水バッグ、非常食(アルファ米・缶詰・栄養補助食品)、使い捨て食器、ラップ |
| ③ 明かり・電源 | ヘッドライト、ランタン、懐中電灯、予備電池、モバイルバッテリー |
| ④ 衛生・トイレ | 携帯トイレ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、マスク、ゴミ袋、歯ブラシ、消毒液 |
| ⑤ 救急・常備薬 | 救急セット(ばんそうこう・ガーゼ・包帯)、常備薬、お薬手帳の写し、体温計 |
| ⑥ 防寒・雨具 | アルミブランケット、レインコート、軍手、使い捨てカイロ、着替え、タオル |
| ⑦ 貴重品・身分証 | 健康保険証・運転免許証の写し、預金通帳の控え、印鑑、家族写真、緊急連絡カード |
すべてを一度に揃える必要はありません。まずは命に直結する「水・明かり・情報・トイレ」から優先して準備し、少しずつ充実させていくのが続けやすい進め方です。次の章では、このなかでも特に優先度の高い必需品を掘り下げてご紹介します。
特に重要な必需品の個別解説+商品紹介
チェックリストのなかでも、災害時の不安が大きく、いざというときに代用が効きにくい品を中心に解説します。それぞれおすすめの一品もあわせてご紹介します。
情報と連絡の生命線:モバイルバッテリー
停電が続くなかで、家族との安否確認や災害情報の入手にスマートフォンは欠かせません。電池切れを防ぐために、大容量のモバイルバッテリーを1台は備えておくのが望ましいとされています。
防災用途では、安全基準を満たしたPSE技術基準適合品を選ぶことが大切です。容量は10,000mAh程度あればスマホを複数回ぶん充電でき、袋に入れやすい大きさに収まります。
- 容量:10,000mAh
- 出力:PD30W入出力(Type-C入出力+Type-A出力)
- 安全規格:PSE技術基準適合
- 表示:バッテリー残量のデジタル表示
- 重量:同クラスは概ね180g前後(メーカー公式仕様で確認推奨)
PD30W入出力に対応し、残量がひと目で分かるデジタル表示つき。10,000mAhでスマホ複数回ぶんを賄え、軽量で持ち出し袋にも収めやすい一台です。避難所での安否連絡や情報収集の予備電源として頼りになります。
我慢できないトイレ問題:携帯トイレ
断水や停電でトイレが流せなくなると、避難生活の早い段階で困るのがトイレです。我慢は健康を損なう原因にもなるため、水や電気を使わずに使える携帯トイレを備えておくことが望ましいとされています。
選ぶ際は、においを抑える防臭袋が付いているか、凝固剤で素早く固められるかが快適さを左右します。
- 回数:50回分
- セット内容:防臭袋BOS(白)50枚/凝固剤50袋の2点セット
- 凝固方式:凝固剤タイプ(水・電気不要)
- 保存期間:約15年
- 携行性:コンパクト収納で備蓄向き(小分けで携行も可)
においを通しにくい防臭袋BOSと凝固剤がセットになった50回分です。在宅でも避難所でも使え、断水・停電でトイレが流せないときの最初の備えとして、家族の数日ぶんをカバーできます。
飲み水を運び蓄える:給水バッグ
災害時の飲料水は1人1日3Lが目安とされていますが、ペットボトルだけで家族数日ぶんを背負うのは現実的ではありません。そこで役立つのが、給水車や給水所から水を運ぶための折りたたみ式の給水タンクです。
普段はコンパクトに畳んでおけるソフトタイプなら、持ち出し袋に入れても場所を取りません。
- 容量:10L(5Lも選べるタイプ)
- セット:2個セット(家族や用途で分けやすい)
- 形式:ソフトタイプ折りたたみ式・コック付き・自立式
- 材質:ポリエチレン系のソフト素材
折りたためてコック付き、置いて使える自立式で給水所からの運搬がラクになります。2個セットなので、飲用と生活用に分けたり、家族の人数に合わせて使い分けたりできて安心です。持ち出し袋にも入れやすいソフトタイプです。
情報も電源も明かりも一台で:手回し充電ラジオ
停電してスマホの電池も心もとないとき、頼りになるのが電源不要で動く手回し充電ラジオです。手回しやソーラーで発電でき、ラジオで災害情報を得ながら、スマホへの非常用給電やライトとしても使える多機能モデルが安心です。
- 受信:FM/AM/ワイドFM対応
- 充電方式:手回し充電/ソーラー充電/USB充電/乾電池
- バッテリー:大容量5,800mAh(スマホへの非常用給電に対応)
- ライト:LEDライト搭載/SOSアラーム機能つき
- 防水:防水仕様
- 充電目安:手回し充電で一定時間の聴取が可能(参照値・個体差あり)
手回し・ソーラー・USB・乾電池の複数方式で電源を確保でき、スマホ充電とLEDライト、防水まで一台にまとまった多機能モデルです。停電下の情報収集や、スマホへの非常用給電、手元照明としても活躍します。
体温を守る命綱:アルミブランケット
避難時や車中泊では、季節を問わず低体温を防ぐ備えが欠かせません。軽くてかさばらないアルミブランケット(エマージェンシーシート)は、1枚あるだけで体温の低下を大きく抑えてくれる心強い味方です。
- 素材:高品質のPE素材(アルミ蒸着)
- 形状:封筒型(コンパクトに収納)
- 保温:体熱を反射して低体温を防ぐ
- サイズ:一人用(シングル)
- 携行性:軽量で持ち出し袋に常備しやすい
体熱を反射して低体温を防ぐエマージェンシーシートです。封筒型でコンパクトに収納でき、軽くて持ち出し袋に常備しやすいのが利点です。避難時・車中泊での防寒や雨風よけにも使えます。一人用が基本のため、家族の人数分そろえておくと安心です。
明かりは持ち出し袋の最優先:ヘッドライトとランタン
停電下の避難では、足元と手元を照らす明かりが安全を大きく左右します。両手が空くヘッドライトは避難の初動で重宝し、避難所や車中で過ごす夜には広く照らせるランタンが快適です。持ち出し袋には用途の異なる明かりを2種類入れておくのが望ましいとされています。
防災用として定番のヘッドライトと、長時間の明かりを確保できるランタンの代表例がこちらです。
明かりの種類ごとの違いや選び方は、別記事で詳しくまとめています。どれを選ぶか迷ったときは、あわせてご覧ください。



家族構成・対象別の追加で備えたいもの
基本のチェックリストに加えて、家族の構成によっては別に備えておきたいものがあります。ご家庭の状況に合わせて、必要な品を足してみてください。
女性向けに備えたいもの
- 生理用品(多めに)と中身が見えないゴミ袋
- 防犯ブザーやホイッスル(避難所での安全確保)
- ストールや大判タオル(着替えや授乳時の目隠し、防寒にも兼用)
- 鏡やスキンケア用品など、最低限の衛生・身だしなみ用品
避難所では着替えや就寝時のプライバシーが課題になりやすく、目隠しに使える布類があると安心とされています。
乳幼児・赤ちゃん向けに備えたいもの
- 紙おむつ、おしりふき、使い捨ての防臭袋
- 液体ミルクや使い捨て哺乳瓶、離乳食
- 母子健康手帳の写しと、ふだん飲んでいる薬
- お気に入りのおもちゃやタオル(不安を和らげる)
赤ちゃん用品は支援物資が届くまで時間がかかることもあるため、数日ぶんを多めに備えておくのが望ましいとされています。
高齢者向けに備えたいもの
- 常備薬とお薬手帳の写し(持病のある方は特に)
- 予備の眼鏡、補聴器の電池
- 入れ歯と洗浄剤
- 大人用紙パンツ、杖などの歩行補助具
持病のある方は、薬の種類や量を書いたメモを携帯ラジオやお薬手帳とともに入れておくと、いざというとき周囲に伝えやすくなります。
ペット向けに備えたいもの
- ペットフードと水(最低でも数日ぶん)
- 折りたたみの食器、ケージやキャリーバッグ
- リードや首輪、迷子札
- ペットシーツや排泄物の処理袋
ペットとの同行避難に備え、ワクチン接種の記録や写真も用意しておくと、避難先での受け入れ時に役立つとされています。
パッキング・保管のコツ
せっかく揃えた非常持ち出し袋も、すぐ取り出せて中身が使える状態でなければ意味が薄れてしまいます。次の4点を意識して保管しておくのが望ましいとされています。
玄関や寝室の近くに置くことが何より大切です。避難の初動で取りに戻る手間をなくせるよう、すぐ手の届く定位置を決めておきましょう。
重さの配分を工夫することもポイントです。重いものは背中側の下のほうに、軽いものは上に詰めると、背負ったときに安定して歩きやすくなります。
年2回ほど点検する習慣をつけると安心です。9月1日の防災の日や年末など覚えやすい時期に中身を見直すと、電池の液漏れやモバイルバッテリーの自然放電も確認できます。
消費期限のあるものはローリングで入れ替えることが望ましいとされています。非常食や飲料水、携帯トイレの凝固剤などは古いものから普段の生活で使い、新しいものを補充するとムダなく鮮度を保てます。
まとめ
非常持ち出し袋に必要なものの要点をおさらいします。
- 一次持ち出しに絞り、両手が空くリュック型に、男性15kg・女性10kg程度を目安にまとめる
- 7カテゴリ(情報・連絡/水・食料/明かり・電源/衛生・トイレ/救急・常備薬/防寒・雨具/貴重品・身分証)でもれなく揃える
- 優先度の高いモバイルバッテリー・携帯トイレ・給水バッグ・手回しラジオ・明かりから備える
- 女性・乳幼児・高齢者・ペットなど、家族構成に合わせた追加品を足す
- 玄関近くに置き、年2回の点検とローリングで常に使える状態を保つ
災害はいつ起きるか分かりませんが、備えは今日からでも少しずつ始められます。まずは命に直結する品から、ぜひご家庭に合った非常持ち出し袋を備えてみてはいかがでしょうか。


