ご家庭に必要な防災備蓄の量を具体的な数字で答えられますか? 水は何リットル、食料は何食分、携帯トイレは何回分…と即答できる方は意外と少ないのではないでしょうか。
備蓄の目安そのものは政府や自治体が公表しています。ただしそれはあくまで「1人1日あたり」の数字です。実際に用意する量は家族の人数や年齢構成、ペットの有無によって一軒ごとに変わります。この「わが家の場合はどれだけ?」への換算が意外と面倒で、備蓄が後回しになる一因になっているように思います。
そこで今回は公的な目安をもとに備蓄量を計算する方法を整理した上で、家族構成を入力するだけで必要量と持ち出し袋チェックリストを自動で作れる当サイトの無料ツール「備蓄量計算機」をご紹介します。
防災備蓄の目安は「1人1日あたり」で決まっている
まず土台になる数字を確認しておきましょう。政府や自治体が示している家庭備蓄の目安は、次のように「1人(1匹)1日あたり」の形で公表されています。
| 品目 | 目安 |
|---|---|
| 飲料水 | 1人1日3リットル |
| 非常食 | 最低3日分(大規模災害では1週間分が望ましい) |
| 携帯トイレ | 1人1日5回分(最低3日分、できれば7日分) |
| ペットのフード・水 | 少なくとも5日分以上(できれば7日分以上) |
出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」/神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」/横浜市「災害時のペット対策(震災)」(環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」準拠)
「最低3日分」とされているのは、大きな災害の直後は救助活動が優先され支援物資が行き渡るまでに時間がかかると考えられているためです。さらに南海トラフ地震のような広域災害では物流の回復により長い時間がかかるおそれがあることから、首相官邸のページでは「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
裏を返すとこの期間を自宅の備えで乗り切れれば、混雑する避難所に行かず住み慣れた自宅で過ごす「在宅避難」という選択肢も現実的になります。備蓄量はその土台になる数字といえます。
難しいのは「わが家の合計」に直すこと
目安が分かっても実際の買い物リストに落とし込むにはかけ算が必要です。たとえば大人2人・小学生1人・猫1匹のご家庭が1週間分を備えるとしましょう。
- 飲料水:3リットル×3人×7日=63リットル(2リットルのペットボトルで約32本)
- 携帯トイレ:5回×3人×7日=105回分
- 非常食:3人×7日=21日・人分(1日3食なら約63食)
- 猫のフードと水:7日分
いかがでしょうか。数字にしてみると「思ったより多い」と感じる方が多いのではないでしょうか。しかも家族構成によっては掛け算だけでは拾えない備えもあります。乳幼児がいればミルクとおむつ、高齢の家族がいれば常備薬やお薬手帳のコピー、女性がいれば生理用品といった具合に、必要な品目そのものが増えていきます。

結局のところ僕の家は水を何本買えばいいの?かけ算していたら分からなくなっちゃった。

人数と日数のかけ算に加えて、年齢やペットの分まで考える必要があるんです。次にご紹介するツールを使うと1分ほどで答えが出ますよ。
なお、水の備蓄量の考え方は次の記事で在宅避難に必要な品目の全体像はその下の記事で解説しています。


家族構成を入れるだけ。「備蓄量計算機」を作りました
このかけ算を毎回やるのは大変なので、当サイトで自動計算ツールを用意しました。無料・登録不要でスマホからもパソコンからも使えます。
👉 備蓄量計算機&非常持ち出し袋チェックリストメーカー(無料)
使い方は3ステップ、1分ほどで完了します。
ステップ1:ご家族について
大人・子ども・乳幼児(0〜2歳)・高齢者(65歳〜)の人数をボタンで入力します。「うち女性の人数」は、生理用品などの備えをリストに反映するための項目です。
ステップ2:住まいとペット
戸建てかマンション・アパートかを選び、犬や猫を飼っていれば頭数を入れます。住まいのタイプに合わせたアドバイスも結果に表示されます。
ステップ3:備蓄する日数
「3日分(最低限の目安)」か「1週間分(大規模災害に備えた目安)」を選びます。迷ったら1週間分を選んでおくと安心です。
結果画面には水は何リットル・食料は何食分といった「おうちの備蓄量」が具体的な数字で表示されます。それぞれの数字には出典リンクが付いていて、この記事で紹介した政府・自治体の資料をその場で確認できます。あわせて家族構成に合わせた「非常持ち出し袋チェックリスト」も自動で作られ、買い揃えたものからタップでチェックしていけます。
なお、このツールに入力した家族構成などの内容がインターネットに送信されることはありません。計算はすべてお使いのスマホやパソコンの中だけで行われます。家族の情報を扱うツールだからこそ外部にデータを出さない作りにしています。
計算結果はこう活用する
計算して終わりではなく結果を家族で共有できるところがこのツールの使いどころです。
- 印刷して貼る・入れる:チェック欄付きのリストとして印刷できます。冷蔵庫に貼って買い足しの目安にしたり、持ち出し袋に入れておいて中身の点検表にしたりする使い方がおすすめです。スマホなら「PDFに保存」も選べます
- URLで家族に共有する:「URLをコピー」ボタンでリンクを作り、LINEなどで家族に送ると同じ結果を相手のスマホでも見られます。「水はお父さん、トイレはお母さん」のように買い物を分担するときに便利です
- 前回の続きから見直す:もう一度ツールを開くと、前回の入力とチェック状態が残っています(保存はお使いの端末の中だけです)

チェックリストは印刷して持ち出し袋に入れておけばいいんだね。

そうなんです。年に一度の見直しのときも同じリストで点検し直せるので、備えの管理がぐっと楽になりますよ。
持ち出し袋に何をどう詰めるかの考え方は、こちらのチェックリスト記事で詳しく解説しています。ツールのリストと合わせてお使いください。

よくありそうな質問
Q. 表示される数字の根拠は?
政府・自治体の公的資料に基づいています。飲料水(1人1日3リットル)と食料は首相官邸、携帯トイレ(1人1日5回分)は神奈川県、ペットの備え(少なくとも5日分以上)は環境省ガイドラインに準拠した横浜市の資料が出典です。結果画面の各行にある「出典」リンクから原典をそのまま確認できます。
Q. 数量が書かれていない品目があるのはなぜ?
公的資料で数量の目安を確認できた品目にだけ数字を表示しているためです。確認できていない品目は品目名のみの表示にとどめています。根拠の曖昧な数字をお伝えしない方針で作っているので、その点はご了承ください。
Q. 表示された量をそのまま揃えればいい?
表示されるのはあくまで公的な「目安」です。持病の薬やアレルギー対応食、ミルクの銘柄など、ご家庭ならではの事情はツールでは拾いきれません。目安を出発点に、わが家仕様へ調整しながら揃えていくのがよいと思います。
まとめ:まずは「わが家の数字」を知ることから
最後にこの記事のポイントを振り返ります。
- 家庭備蓄の目安は「1人1日あたり」で公表されている(水3リットル・携帯トイレ5回分など)
- 食料・水は最低3日分、大規模災害に備えるなら1週間分が望ましいとされている
- 実際に用意する量は家族の人数・年齢・ペットの有無で変わり、手計算はなかなか大変
- 備蓄量計算機なら家族構成を入れるだけで、必要量と持ち出し袋チェックリストを自動で作れる
- 入力内容は端末の外に送信されないので、家族の情報も安心して入力できる
- 結果は印刷やURL共有で家族と分担しながら揃えるのがおすすめ
備えの第一歩は、何をどれだけ揃えればよいかという「わが家の数字」を知ることです。1分で計算できますので、ぜひ一度備蓄量計算機でご自宅の必要量を確かめてみてはいかがでしょうか。


